2024年9月23日から10月1日まで、9日間の日程で2025年春夏パリ・ファッションウィークが開催され、100以上のブランドが公式スケジュールで新作を発表。今シーズンの必見ブランドをご紹介します！

photo : B.P.B. Paris

イッセイ ミヤケ（ISSEY MIYAKE）がパリ花公園（Parc floral de Paris）のパビリオンでコレクションを発表。テーマは「The Beauty of Paper（紙の美しさ）」。

今シーズンは、和紙を中心とした紙にまつわる素材に着目。紙の歴史、製造方法、紙による手仕事をリサーチするなどの研究を重ね、紙が持つ身近で普遍的な一面とプリミティブな一面を表現しています。

ショー会場となったのは、豊かな自然に囲まれたパリ花公園のパビリオン。観客用に設置された丸太のようなスツールは、プリーツ加工の副産物である薄い紙の塊を再利用したものです。

最初に登場したのは、「水」そのものを一枚の布で表現したドレス。透け感と光沢感のある布のドレープが水のゆらぎや輝きを思わせます。続くシリーズは、麻紙（まし）で仕立てた紙衣（かみこ）。この素材は日本最古の紙漉きの伝統を受け継ぎ、麻の細かい繊維だけで作られました。

折り紙のように一枚の布に折り目を入れて立体化させたオールインワン、分量がありながら軽やかで紙のように折り畳めるコートなどもあり、無縫製ニットのシリーズは前後を逆にして様々な着方を楽しむことができます。

後半には芍薬、ラナンキュラス、アスパラの葉の押し花プリントが登場。プレス加工で偶然にできたシワが、花と素材の繊細さを際立たせていました。

和紙の糸を使用した紙袋風バッグは、紙の風合いと軽やかさに加え、日々使える丈夫さも兼ね備えています。

ゆったりとした時間のなかに、しばしの安らぎを感じさせるショーでした。

© 2024 ISSEY MIYAKE INC.
Runway looks: Frédérique Dumoulin-Bonnet
Details / Show images: Olivier Baco
Courtesy of ISSEY MIYAKE
Text: B.P.B. Paris