2023年春夏パリ・ファッションウィークで、話題になったブランド、
気になったブランドをご紹介します。
コム デ ギャルソン(Comme des Garçons)が2023年春夏コレクションを発表しました。
2年半ぶりのパリでのフィジカルショー。言うまでもなく、最も待ち望まれていたショーのひとつで、招待客で埋め尽くされた会場は緊張感と高揚感が入り交じっていました。そんな今シーズン、デザイナーの川久保 玲がコレクションに込めたのは「悲しみが多いこの時代に、自分ができることで寄り添いたい」という気持ちだったといいます。
披露されたのは様々なシェイプを見せる18点の作品群。頭をすっぽりと覆うコクーンシルエットやカップ形シルエット、大きなフリルが波打つドレスやフラワーリースを思わせるドレスなど、いずれもアブストラクトな彫刻のような存在感で、見る者の想像力を膨らませていました。
モノクロで始まったコレクションは、ビニール素材をカットしたレース風マテリアル、フラワーモチーフの刺繍、ふわふわのフェザー装飾など、ロマンチックな要素もはらみ、色とりどりのブーケのようなドレスで幕。服は人にパワーを与えるもの。そう思える圧倒的なクリエイションはやはり健在でした。
Text : B.P.B. Paris