2月26日から9日間の日程で2024-’25年秋冬パリ・ファッションウィークが開催され、100以上のブランドが公式スケジュールで新作を発表。今シーズンの必見ブランドやトピックスをご紹介します。
コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)のテーマは”怒り”。激しいピアノの旋律が響き渡る中、登場したのは黒で覆われたドレス群です。
デザイナーの川久保 玲(Kawakubo Rei)は「昨今の心境をコレクションに込めました。世界のあらゆることに対して、そして特に自分に対しての怒りも」と、自身の気持ちをコレクションノートに記述。争いが絶えない世界情勢を背景に、前回は明るい未来を願って色鮮やかなコレクションを発表しましたが、今回は打って変わってダークなムードが全体を支配していました。
シルエットはボリューミーで、素材にはフェイクレザーを多用。チェーンや有刺鉄線のモチーフがインパクトを与え、ペイント模様はグラフィックアーティストのアリサ・ヨッフェ(Alisa Yoffe)によるもの。目を引いたソールが溶けたようなダービーシューズはフィレオ(PHILEO)とのコラボです。
モデルたちも怒りの表情を浮かべながらランウェイを行進し、衝撃に満ちたショーが展開されましたが、最後に現れたのは白いドレス。平和への一筋の光を見ているようでした。
Courtesy of Comme des Garçons
Text:B.P.B. Paris