SUMIREと神尾楓珠が共演するドラマ「階段下のゴッホ」
絵画を通して自分を見つめ直すストーリーとは?

2022.09.16

装苑モデルとして本誌、オンラインで毎号登場しているSUMIRE。ここ数年は映画やドラマなど女優としての活躍に目が離せません。そして9月20日からスタートするドラマ「階段下のゴッホ」(TBS)では待ちに待った初主演!共演するのは、クールな顔立ちが魅力の神尾楓珠。ここではドラマのこと、お互いの印象、ファッションのことなどお聞きしました。

「階段下のゴッホ」ストーリー
ドラマ初主演のSUMIREが演じる鏑木都は、大手化粧品メーカーに勤める年収1000万円超えの “高収入バリキャリ女子”。とある絵画に出会ったことで、かつての画家になるという夢を叶えるべく東京藝術大学を目指す。そこで出会ったのが、絵の才能がありながら、藝大を六浪している6歳下の平真太郎 (神尾楓珠) 。格差のある二人、やがてはお互いをリスペクトしていくのだろうか?自分を信じて自分らしく生きる新しいヒューマンラブストーリー。

―今回のドラマの役柄をそれぞれ教えてください

SUMIRE  私の演じる鏑木都は、バリバリ働きながらかつての夢であった画家になるため絵を描いて藝大を目指すという役。大手の化粧品会社の営業マンで、責任ある仕事をまかされています。年齢的には今の私よりは少し上かな。仕事と夢との両立を目指す元気な女性です。

神尾楓珠(以下神尾)  僕が演じる平 真太郎は、絵の才能はめちゃくちゃあるんですけど、なぜか藝大を六浪しているという人。絵に対する熱はものすごく、絵を描くことに対してとてもシビアな考えを持っているんです。都に対しては、“両立なんてできるわけない”っていう見方を常にしています。

―藝大を六浪もしてしまうその理由って、本人はわかっているのでしょうか?

神尾  自分ではわかっていないんです。

―都にはわかっているんでしょうか?

SUMIRE  藝大に落ち続けている理由は都にもわからないんです。都からすると神尾さん演じる真太郎は、六浪はしているけれどとても才能があることはわかっていて、彼の描く絵の魅力にやきもち焼いちゃうぐらいなんですけどね。

―都にとって、絵は大切なものになっていくのですか?

SUMIRE  仕事とはまた熱の入れ方が違うんですが、夜は仕事が終わってから必死に絵を描くためにアトリエに通う。藝大に入りたい!やり遂げたい!という強い意志があるんです。

―都みたいな人を俯瞰で見た時にSUMIREさんはどう思いますか?

SUMIRE  きちんと両立できているのがすごい。どちらも同じくらいの熱量で真剣にやっているからこそどこかで集中が途切れちゃったりすることはあり得ることだし、自分でもそうなることがあるだろうから、尊敬しますね。

―SUMIREさんは実際独学で絵も描いているので、今回ドラマでこのような役柄を演じた中で絵画で学ぶことはありましたか?

SUMIRE  はい。例えば画材。自分が普段使っているものとは違う画材だったので、いい刺激になりました。

―神尾さんは真太郎を俯瞰で見た時にどう感じましたか?

神尾  なんで六浪しているのかを教えてあげたくなりました。自分の絵は高いレベルにあることは真太郎本人もわかっているんですけど、六浪している理由はわかっていなくて。それを一緒に探してあげたいです。でも彼は浪人しているのに挫折することなく、目指しているものに向かって進んでいるんです。すごいですよ。

―神尾さんは絵を描いたりアートに関して興味はありますか?

神尾  正直あまり触れてきていなかったので、そこまで理解していなかったんですけど、今回こういう役をやってみて以前より興味が湧いてきました。奥が深いなと思います。

―絵を描いてみたくなりました?

神尾  いや、描くことは多分しないですけど(笑)、美術館やギャラリーなどに行って鑑賞することは増えると思います。

―SUMIREさんは神尾さんに対してどのようなイメージを持っていましたか?

SUMIRE  楓珠くんとは前に映画で一緒になったことがあったんですが、絡みはなかったので、今回初めて共演という感じです。現場での楓珠くんはあまり見ていなかったんですが、もの静かなイメージ。ちょっとツンとしている感じかな(笑)。はっきりした顔立ちのせいかも。でも『階段下のゴッホ』の現場で話しかけると笑ってくれるし。それは同じ現場で一緒にいなければわからなかったですね。

©「階段下のゴッホ」製作委員会

―神尾さん、ツンとしていたわけではないんですよね?

神尾  そう見られがちです。現場だとあまりしゃべらないから。プライベートではよくしゃべりますよ(笑)。それに今回は、都とは割といがみ合う場面があったから、あまりしゃべったりしていると本番どうなんだろうなというところもあって。

SUMIRE  仲良くしていると、それが演技を邪魔しちゃうとこともあるかもしれないですよね。アトリエのシーンでは同世代の役者さんもいて、“音楽とか何聞くの?”とか話していると、楓珠くんも輪の中に入っているし。“あ、楓珠くん笑ってる!”って(笑)。

神尾  僕は基本受け身です。自分からはあんまり話しかけないです。しゃべりたくないとかじゃないです。というのも、あの・・・あまり体力なくて・・・(笑)。本番じゃないところでエネルギーを使いたくないんです。本番を精一杯演じるためにエネルギーを保存していないと。

©「階段下のゴッホ」製作委員会

―それぞれ、今回演じていてとても大変だったところはどこでしたか?

SUMIRE  都は喜怒哀楽がとてもはっきりしている女性なので自分は持ち合わせていない気持ちのメリハリがあります。とても羨ましいところではあるんですが、それだけに演技としては難しい部分ではありました。私自身、感情をむき出しにするのが得意なほうではないので。

―でも自分とは違う女性を演じるのは女優さんとしては楽しいですよね?

SUMIRE  そうですね。勉強になります。

―神尾さんはいかがですか?

神尾  一応「ラブストーリー」と言われているんですが、それほどラブストーリーのイメージはないんです。だから自分たちの関係性をどう表現したらいいのかなって、いつも考えています。結局僕はあまりラブストーリーというのを意識しないで演技しているんですけど。都と真太郎は、仲が良くなるわけじゃないんですけど、気づいたら生活の一部に都が入ってきているんです。そのあたりの気持ちの表現が難しいですね。

―“愛”をテーマにすると、ちょっと気恥ずかしくて軽く受け止められがちなところもありますが、単なるラブストーリーということではなく、人間愛的な面もあるのですね。

神尾  そうなんですよね。真太郎は都と違って、感情を表に出す人じゃないんですが、2人の関係性が徐々に変わっていくところでの感情表現もむずかしいんです。はたから見ていると近づいてないように見えるけれど、内面的には近づいてくるという。

―おたがいにないものに対してリスペクトしていくのでしょうか?

神尾  言葉や行動で相手に伝えるわけではないのですが、そうだと思います。

―ドラマでの衣装についてお聞きします。SUMIREさんは営業マンということできっと普段着ているものとはだいぶ違ったのでは?

SUMIRE  そうなんです。ジャケットにスラックスにヒールの靴。いざ着てみて、服にメリハリがあるのっていいなと思いました。今日は営業に行くからジャケットをびしっと着たり、って。色も気持ちが変わりますね。ピンクを着たら明るくなるし。普段黒を着ることが多いから、参考になりました。ちょっと取り入れてみようかな。

―アトリエで絵を描き続ける神尾さんのスタイルは?

神尾  真太郎は役柄としてはほぼ変化のない服装で、インナーがベージュとか白。その上に青のロングコートを羽織っています。ずっとそれ。中のシャツの色が微妙に変わるかなっていう感じです。だから衣装替えも10分かからない(笑)。自分の普段のスタイルもそんな感じだから、衣装に気持ちを引っ張られなくてよかったのかな。真太郎がいつも着ている青いロングコートがあるんですが、実はこのコートがストーリーの中でキーアイテムになっているんですよ。

photographs : Jun Tsuchiya(B.P.B.)
hair & makeup : KIMIYUKI MISAWA(Perle Management)

SUMIRE
トップス ¥42,000、スカート ¥58,000、靴 ¥77,000 (すべて参考価格) GANNI
神尾楓珠
シャツ ¥39,000、パンツ ¥39,000 FUMITO GANRYU/靴 ¥69,000 th products

GANNI
WEB:ganni.com
Instagram:@ganni

FUMITO GANRYU
WEB:fumitoganryu.jp
Instagram:@fumitoganryu

th products
WEB:thproductsonline.com
Instagram:@th.products

©「階段下のゴッホ」製作委員会

『階段下のゴッホ』
2022年9月21日(20日深夜)から毎週水曜 0時58分 ~1時28分(火曜深夜)にTBSテレビの深夜ドラマ枠「ドラマストリーム」にて放送 ※一部地域を除く
2022年9月13日昼12時よりParavi、U-NEXTにて毎週1週間先行配信中


SUMIRE(すみれ)
1995年、東京都出身。2018年、映画『サラバ静寂』で女優デビュー。その後、女優やモデルとしてドラマ、映画、雑誌、広告など幅広く活躍。装苑モデルとして本誌、装苑オンラインに登場。

神尾楓珠(かみおふうじゅ)
1999年、東京都出身。趣味はサッカー。2019年、テレビドラマ『左ききのエレン』で連続テレビドラマ初主演。その後テレビドラマ、映画など多方面で活躍。現在、舞台『薔薇とサムライ2―海賊女王の帰還―』に出演中。

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