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石原海 個展「重力の光:北九州篇」が開催中。
映画「重力の光」の上映も

「第15回 shiseido art egg」にも選出されるなど、アートと映像の領域を横断して様々なヴィデオ作品を手がける石原海が、個展「重力の光:北九州篇」を福岡県北九州市のat Gallery Soapにて開催中。本展では、映画上映のほか、未発表の映像を含むヴィデオインスタレーションなどが見られる。また、クロージングパーティにて、本作の音楽を制作したミュージシャン、荒井優作のLIVEも予定されている。

個展中に上映される映画は、石原が監督を務める新作『重力の光 : 祈りの記録篇』。本作は、イエス・キリストの十字架と復活を描いた受難劇と、その練習風景や日常、インタビューなどを交差させた挑戦的なドキュメンタリー映画で、北九州の教会に集う元ホームレスの人たちや、生きる意味に悩む人、教会で働く夫婦などを含む、9人の傷ついた愛すべき罪人を描いている。

いきなり北九州に住むと決めたとき、アタシは途方に暮れていた。こんな混沌とした状況の中で自分の人生をどう進めたらよいかわからなくなっていたし、とにかく疲れ果てていた。数年前に友人に連れられて教会に寝泊りしていた生活の記憶だけを頼りに、地元でもない土地に戻ってきたのは、もうなんていうか、祈りでもしないと生きてることに耐えきれなくなっていたからだと思う。

北九州に連れてきてくれた友人の親は牧師と生活困窮者支援をやっていて、アタシも徐々に教会に通うようになった。まだあまり知り合いのいない土地で、教会の人たちと過ごしているうちに、この教会のみんなと一緒に作品を作りたいと思うようになった。この教会に集う、傷ついた愛すべき罪人たちの人生を記録することが、自分にとってすごく重要なことに思えたから。

『重力の光:祈りの記録篇』は、シモーヌ・ヴェイユ 『重力と恩寵』から影響を受けて制作された、教会のみんなとイエス・キリストの十字架と復活を描いた受難劇とその稽古の日々、そしてそれぞれのインタビューで構成されたドキュメンタリー映画である。生きているだけで、重力に引っ張られて下へ沈んでしまいそうな気持ちになるけれど、祈ることで一瞬だけ重力から解放されてふわりと浮かぶことができる、その瞬間を祝福するように本作を監督したーー石原 海」


石原海 個展「重力の光:北九州篇」
会期:開催中〜5月15日 (日)
場所:at Gallery Soap
   福岡県北九州市小倉北区鍛冶町1丁目8−23
時間:18:30〜22:00 ※木・金曜
   15:00〜22:00 ※土曜
   15:00〜20:00 ※日曜
休館日:月〜水曜
入館料:無料 ※ワンドリンクオーダー制
WEB:http://g-soap.jp
Twitter:@jyuuryo9

「荒井優作LIVE」
日時:5月15日(日) 18:30〜19:00
入場料:¥1000+ワンドリンクオーダー制

映画「重力の光」上映・トークイベント
石原海監督×池部哉太(BLOOMY DAYS VINTAGEオーナー)
日時:4月24日(日)18:00〜20:00
場所:小倉昭和館
   福岡県北九州市小倉北区魚町4-2-9
料金:¥1800
WEB:http://kokura-showakan.com/
チケット取り置き予約サイト:https://g-r-kokura.peatix.com/  

石原 海/Umi Ishihara
愛、ジェンダー、個人史と社会を主なテーマに、フィクションとノンフィクションを混ぜながら物語をベースに制作をしている。資生堂アートエッグに入選、北九州のキリスト教会を記録した個展「重力の光」開催。(2021) 同作品を長編映画化したドキュメンタリー映画『重力の光:祈りの記録篇』が東京都写真美術館で開催されている第14回恵比寿映像祭にてプレミア上映。(2022) 初長編映画『ガーデンアパート』(テアトル新宿を皮切りに全国劇場公開)、東京藝大学の卒業制作『忘却の先駆者』がロッテルダム国際映画祭に選出(2019)また、英国テレビBBC4放映作品『狂気の管理人』(2019)を監督。英国の現代美術賞Bloomberg Contemporary入選(2019)現代芸術振興財団CAF賞岩渕貞哉賞受賞(2016)など。