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ファッション業界で発信力のあるクリエイターになるには?
文化服装学院の学生に向けた、Metaの次世代クリエイター支援プログラムがスタート!

2024.07.03

FacebookやInstagram、Threadsなどのプラットフォームを運営するMetaが文化服装学院とタッグを組み、次世代のクリエイター育成を目的にした特別ゼミを開講。
全6回で構成されるこの講座では、25名の個性豊かな学生が参加し、講師による授業とワークショップなどの実践的な課題に取り組みながら、自己発信の力を身につけます。さらに講座ごとにスペシャルなゲスト講師も登場。Instagram、Threadsの機能の活用方法、フォロワーを増やすコツなど、たっぷりとお届けします。一緒に楽しく勉強しましょう!

photographs : Norifumi Fukuda (B.P.B.)

第1回
ファッション業界とInstagramの関係

全6回の講座を進行するのは、Metaのグローバル パートナーシップ チームに所属する大平かりんさんと山谷道裕さん、さらに文化服装学院の卒業生でもある、フリーランスエディターの岡島みのりさん。

「この取り組みはMetaとしても初めての試みです。ファッションを学ぶ学生の皆様に我々のプラットフォームの新しい機能など、テクノロジーに触れていただいて、どんなものが生まれるのかどんな新しい挑戦ができるのか、ということをすごく楽しみにしております」と大平さん。

参加するのは年齢や学科が異なる25名の学生。制作した作品や日々のコーディネートなどをInstagramへ投稿し、個々の世界感を表現している。

参加学生のInstagramアカウント
_unange02、@riqipi、@aoba.jp、@bl0om.oon、@if._.ur、@knwsmok、@akirahidehiko、@hikaso.o0、@rui_cordin、@tech_works__、@sana_seine、@nodoka.0613、@kuuga_fashion、@vhenangelofactor、@komei2434、@m___baa、@lera_1012、@yyyyy00002050 、@irisu___、@ddask.m、@saki_yanagiya 、@emily_yamashita、@_______joyce___、@naubermb_lab、@_momo_meguro_

改めてInstagramをおさらい!

日本でのInstagramの利用者数は、2010年に写真投稿アプリとしてリリースされて以来、年々増加傾向にあるという。2015年時点での月間アクティブアカウント数は810万だったのが、2019年には3,300万となった。今や日常に必要不可欠なアプリとなりつつある。

「日本はInstagramの利用が特に盛んな国ですが、利用者数ではFacebookのほうが多い国もある。海外に向けた発信をしていく場合、国によっては、InstagramだけでなくFacebookをどのように使うかということも重要になっていく」と山谷さん。

機能の効果的な活用のヒント!3秒以内にアイキャッチを。

Instagramの投稿機能はフィード、ストーリーズ、リールの3つ。

現在、ユーザーが消費したいと思うコンテンツは、美しく整えられたデザインではなく、生活を身近に感じられるような “親近感” が大切だという。短い尺の動画には共感、驚き、学びなどの娯楽につながる要素が重要。また、コンテンツに興味を持たせるには、3秒以内にアイキャッチを入れ、完結することもポイントだという。

また、フォロワー以外の新しいユーザーへリーチするには、リール機能を活用することが最も効果的である。Instagram上ではリール専用のタブや検索タブ、タイムラインにもおすすめ投稿としてリールが流れてくるため、リールが表示されるスペースが最も多く、新規フォロワーを増やすにはリール投稿が欠かせない。
さらに、リール投稿に届いたコメントを返すことで、エンゲージメント率が上がり、リーチに繋がる。ユーザーがInstagramに費やす時間のうちリールが占める割合は20%だという。

気軽に利用できるストーリーズはありのままの日常を投稿する機能。同時に、アンケートや質問スタンプなどを利用してフォロワーと繋がり、コミュニケーションが密に取れる場所でもある。また、ストーリーズの表示順は時系列ではなく、優先順位がつけられているそう。過去にメッセージのやりとりやコミュニケーションがあったユーザーが優先的に先頭に表示される仕組みになっている。

反応が良かったリールは?ビジネスに繋がる、SNSの活用方法とは。
【3名のゲスト講師によるクリエイタートーク

文化服装学院を卒業後、様々な分野で活動の幅を広げている榎本紀子さん(パタンナー・nori enomotoデザイナー)、かきぶちもものさん(デジタルクリエイター)、松井勇樹さん(BLAYMORE デザイナー)の3名が初回のゲスト講師として登場。

トークセッションでは3名のそれぞれ異なったInstagramの運用の仕方を、これまでの投稿の中から「お気に入りの投稿」「反応がよかったリール」を振り返り。SNSでどのように影響力をつけクリエイターの道に進んだのか、リアルな思いが語られました。

榎本紀子 Noriko Enomoto
1996年生まれ。共立女子大学被服学科卒業後、文化服装学院服飾研究科へ入学。その後、技術専攻に進学し、卒業後RAINBOW SHAKEに入社。パタンナーとして活動をしながら、2020年にnori enomotoを開始。
Instagram:@37nori   

かきぶち ももの Momono Kakibuchi
2003年生まれ。2021年文化服装学院へ入学。ファッション流通専門課程リテールプランニングコースに進学し、学生発セレクトショップ「RE・TENT」で自己発信の大切さを実感する。これを機にデジタルクリエイターとしての活動をスタート。現在はInstagramとTikTok、YouTubeにて発信を行う。
Instagram:@hitoedes13 

松井 勇樹 Yuki Matsui
1998年生まれ。東京大学大学院と文化服装学院に通い、2024年3月に文化服装学院を卒業。2023年春夏より自身のブランド「BLAYMORE(ブレイモア)」をスタート。デザイン、パターン、グラフィックなど幅広く手がける。
Instagram:@yuki_outfits 

 Q. お気に入りの投稿は?  

——榎本紀子さん——

コロナ禍で製作したマスクの写真です。いいね数や保存数は多くないですが、この投稿がきっかけで、スタイリストさんにリースしていただいたり、雑誌に掲載していただきました。また、この投稿から他の掲載している自分の作品も見ていただき、仕事のチャンスが広がった投稿なのでお気に入りの一枚です。

——かきぶちもものさん——

韓国のスキンケアブランド COSRXさんとのタイアップ投稿です。投稿の中で紹介をしている商品がセットで割引されるというキャンペーンだったのですが、ビタミンCの美容液がメインだったので、それをイメージした作品撮りになります。

——松井勇樹さん——

BLAYMOREの2024年春夏コレクションのビジュアルです。今季から株式会社アダストリア様に支援していただいています。オフィスが渋谷ヒカリエにあり、LOOKでは高層ビルや流れゆく雲を舞台に洋服を表現しています。

 Q. 反応がよかったリールは? 

——榎本紀子さん——

nori enomotoのカバンの制作過程です。この動画は編集をせず、音楽もつけずにただ流しているだけですが、約300万再生されました。ものづくりをしている方は、制作の裏側をあまり表に出しませんが、私は「ものづくりって楽しいよね」ということをシェアしたかったので、あえてそのままリアルな様子を投稿してみました。その思いが伝わり、再生数にも繋がりました。

——かきぶちもものさん——

文化服装学院の最後の登校日コーディネートを載せた投稿です。「今日は〇〇していく!」という内容の動画が流行っていましたが、私は “文化服装学院” という強いキーワードをもとに動画にしました。これまではメイク動画を主にアップしていましたが、ファッションに関する内容を初めて投稿したのがこのリールです。メイク以外の自分らしい部分を発信できました。

——松井勇樹さん——

この動画には400件以上のコメントを頂きました。文化服装学院を卒業するタイミングで卒業と進路に関して、ご報告という形にまとめています。卒業式の看板が画面でも目を引くため、カバーに使いました。動画の編集では流行っているテンプレートを部分的に取り入れることで、ユーザーは感情移入しやすくなり見やすくなるのでミックスして入れたこともポイントです。

 Q. SNSを使って、どうクリエイターの道を開拓していったのか。 

——榎本紀子さん
SNSに投稿していた作品を見てくれていた方から、お声がけをいただいたのがきっかけで今の会社に入りました。入社当初は配送の仕事をしていて。その仕事もやりがいがあり、楽しかったのですが、やはりものを作ることが好きで、仕事が終わった後にはものづくりをしていました。その制作したものをInstagramに投稿していたら、社長に「ブランドをはじめてみない?」とお話をいただき、今に繋がります。人に見られていないところでも努力をするというのは、どんなお仕事でも大切だと思います。今後は、長期期間でポップアップを開催することや、nori enomotoを世界の人に持ってもらえるブランドにしていきたいです。

——かきぶちもものさん
昨年、文化服装学院を卒業をしたばかりですが、就職はせずにフリーランスとして仕事をさせていただいています。安定した給料がもらえるわけではないので不安でしたが、モデルを目指している友人に「私も就職せずにモデルになるけど、別に死ぬわけじゃないから。夢叶えるまでバイトすればいいと思っている」という言葉を受け、自分の好きなことに真っ直ぐに向き合う友達を見て、はっとさせられました。不安なことはもちろんありますが、この言葉を思い出して毎日お仕事しています。今後の目標は一重で悩んでいる多くの方の味方になれるようなコスメを作りたいと思っています。ファッションブランドを立ち上げることも将来の夢の一つです。

——松井勇樹さん
東京大学を卒業後、総合商社に内定をいただき、サラリーマンになる予定でしたが、人生設計をした時に表現者の側面を持つべきだと気づきました。文化服装学院を卒業後は、東京大学の大学院に通いながら、デザイナーとして働いています。将来に関して不安なことも多いですが、“何になりたいか” ということよりも、“どう生きたいか” という軸を大切にしています。目的がわからない苦しみより、目的がある苦しみの方が気持ちは楽ですし、目的が明確なので自分の人生軸から目を背けずに、頑張りたいと思います。デザインをしている以上、最終地点はパリを目指しますが、それよりも今は目の前のことに全力投球して、生き残ることを最優先にクリエイションに捧げていきたいです。

次回は「クリエイターから学ぶInstagramのリール機能」。ゲスト講師からリールについて学び、学生が実際にリールを制作します!お楽しみに。

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