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文化服装学院を卒業し、
アートやカルチャーの世界で活躍すること
【文化服装学院100周年記念連載vol.9】

2024.04.01

アーティスト
KOTA KAWAI


1998年生まれ、神奈川県出身。文化服装学院アパレル技術科生産システムコース卒業。2020年「消費、視点、認識」をテーマにアーティスト活動を開始。スタートアップ企業「ピックユー」の事業経営も行う。1月にはフランス・パリで開催される合同展に参加。
Instagram:@_kotakawai

服飾を学んで得られた客観的・多層的な視点で

 廃材や残布を用いた椅子のアート作品で広く知られるKOTA KAWAIさん。文化服装学院に入学して初めて服作りを経験し、在学中にはショップ「THE ELEPHANT」でリメイクアイテムを手がけ、月に60〜80着を制作。ほかのお店にも卸されるほどの人気だった。

“Alternative Chair”は、アディダスのダウンジャケットを用いて制作した2023年の作品。

「リメイクは『飛び越えられる』ことが面白かったです。自分でパターンを引いて生地を買って制作するのは膨大な時間も手間もかかるし、使いたい生地がないとか、買えないみたいな制限が出る。技術や資材の制約から解放されて飛躍できるストリートっぽさに、可能性を感じていました。リメイクでは結構攻めた服を作っていたのですが、卒業研究の一環で友達と立ち上げたブランドでは、皆が受け入れやすい既製服を作って実際に販売もしました。そのことも自分の活動をする上でいい経験になっています」

ファセッタズムやダイリクなど数々のブランドと協業するKAWAIさん。この作品は、イタリアのタトラスとのコラボレーションで2021年に発表された“Human Air F1”。タトラスのダウンウエアを「椅子に変えられた人々」に見立てた彫刻。

「椅子の作品のアイデアは3年生の頃に浮かび、卒業後に制作を始めました。リメイクで知見が広がったその感覚を、また新しい部分で求めていた気持ちが、当時ハマっていた椅子と結びついたんです。SDGsの視点が不可欠な時代に、服飾を習っていたことも大きかったかもしれません。皆が認識している椅子というものを、皆が変化に気づく方法で制作できたら、と。つまり内的な要因でどれだけ既成のものの見え方を変えられるのか。マルセル・デュシャンのレディメイドのような考えに共鳴するんです」

近年は、クッションや布のオブジェも制作。右は内蔵されたモーターで動く、ダウンジャケットの袖から生まれたうさぎ。

 数々のブランドとコラボレーションし、2022年にはフリマサービスpickyouを創業。クリエイティブを統括し、SNSで大きく展開している。その原動力を尋ねると、こんな答えが返ってきた。

「僕にできることでファッションの可能性を広げ、業界を底上げしたいんです。いい服を作れば食べていけるような時代ではない今、SNSの運用を含めて人からどう見えるか、人にどうアプローチするかが重要です。文化で服飾を学んだ僕が、アートが持つインパクトを用いたり、SNSのマーケティングを行うことに意味があると思っています」

NEXT:彫刻家・文筆家 鈴木 操

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