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山縣良和さんの個展「ここに いても いい」リトゥンアフターワーズがアーツ前橋にて開催中!

《It’s Alright To Be Here》2024 Photo: Elena Tutatchikova

物語性のある実験的な表現の場としてコレクションを発表する「writtenafterwards(リトゥンアフターワーズ)」のデザイナーであり、「coconogacco(ここのがっこう)」の代表でもある山縣良和(やまがたよしかず)さんの個展「ここに いても いい」が6月16日(日)まで、群馬県 前橋市のアーツ前橋にて開催中。

writtenafterwardsは〈装う〉という心の純粋性を追求しながらも、3.11からの再生を祈った《The seven gods》、ファッション業界の慣習アイロニーを込めた《Graduate Fashion Show》、戦後と日本人の集団性をテーマにした《After Wars》、コロナ禍の都市を離れ無人島で描いた新しい人間像 《Isolated Memories》など、社会のありようや歴史への問題提起を大胆に織り込み、常にファッションの領域を超えた表現を追求してきた。

《The seven gods》2012

美術館で初の個展となる本展「ここに いても いい」では、writtenafterwardsのこれまでの歩みを紹介するとともに、山縣さんが考える日本社会とファッション表現の〈いま/ここ〉を新作インスタレーションで表現する。

元商業施設をコンバージョンしたアーツ前橋の全館使用した0〜5章までのストーリーテリングのような展示構成にも注目。

第0章のフロアでは「バックヤード」と題し、過去のコレクションで生み出してきたドローイング・絵画・写真・映像・書籍・布地などの作品や素材を展示。

〈装う〉ことの原点に立ち還り「もし現代に神々が存在していたらどんな装いをしているか」という疑問から七福神や魔女、妖怪たちをモチーフに制作し山縣さんの存在を広く知らせた作品をはじめ、群馬における繊維産業の盛衰の記憶を組み込んだ《The Back》新作インスタレーションを見ることができる。メインギャラリーでは、2024年現在の日本社会を表象する〈メゾン/家〉を、リトゥンアフターワーズの過去のコレクションと、群馬県内の空き家や廃屋から移設した家財道具を組み合わせて表現する。

最後の部屋では何気ない家族の情景や子供服からインスピレーションを得た、最新コレクションを公開。最新コレクションでは、昨年父親となり、東京で子育てをはじめた山縣さん個人のパーソナルな変化が色濃く反映された。

《After Wars》2017

《After All》2019

《Isolated Memories》2023

《Field Patch Work》2023

本展では、私塾でありながら多くのデザイナーや国際コンテスト受賞者を輩出する「coconogacco」を主宰し、渋谷PARCOの9階では10代の学び舎「GAKU」を立ち上げ、ディレクターを務める山縣さんの教育者としての思想と実践を伝える「それぞれの個性を育む学び場」を展示室内に開設する。

また、群馬県 桐生市出身の写真家・石内都さんや、『スマホ時代の哲学』で知られる気鋭の哲学者・谷川嘉浩さんらとのトークセッションを行い、衣服の展示だけでなく言葉やテキストでも、ファッション表現の過去・現在・未来について綴っていく。

「日々ニュースから飛び込んでくるウクライナとガザの悲劇、そして能登半島地震と、個人では消化しきれない歴史の大きなうねりの中で、いま自分が表現できるのはとてもパーソナルなこと」と語る山縣さん。

ファッションを通して自己と社会に向き合ってきた山縣さんが示す”かすかな糸口”を体感することができるこの機会に、アーツ前橋を訪れてみて。


ここに いても いい リトゥンアフターワーズ

山縣良和と綴るファッション表現のかすかな糸口

期間:開催中〜 6月16日(日)
時間:10:00〜18:00 (最終入場 17:30まで)
休館日:水曜日

場所:アーツ前橋

   〒371-0022 群馬県前橋市千代田町5丁目1-16

入館料:一般 800円 学生・65歳以上・団体(10名以上)600円

※障がい者手帳等をお持ちの方と介護者1名は無料

※高校生以下の児童・生徒は無料

トークプログラム

vol.1「山縣良和へのインタビュー ここにいてもいい?」 本展アーティストの山縣良和と担当キュレーター宮本武典が、展覧会ができるまでを解説するオープニングトーク。

日時:4月27日(土)15:00〜17:00(14:30 開場)
講師:山縣良和 × 宮本武典(本展キュレーター、東京藝術大学准教授)

会場:アーツ前橋スタジオ
定員:40名(参加無料/要予約・観覧券)終了

vol.2「物語る衣服たち」 広島の被爆者やフリーダ・カーロの遺品など、〈亡き人々〉の衣服を撮り続ける石内都と、その写真作品か ら多くのインスピレーションを得てきた山縣良和。二人による衣服の〈モノがたり〉。

日時:5月12日(日)15:00〜17:00(14:30 開場)

講師:石内都(写真家)× 山縣良和

会場:アーツ前橋 スタジオ

定員:40名(参加無料/要予約・観覧券)定員に達したため受付終了

vol.3「蚕と日本人の古今東西」 養蚕に強い関心を持ち、作品に取り入れてきた山縣。第3回の対話では『蚕: 絹糸を吐く虫と日本人』の著 者・畑中章宏と、蚕の歴史と文化を掘り下げながら、その生命の循環の延長線上にあるファッションのあり 方を探ります。

日時:5月19日(日)15:00〜17:00(14:30 開場)

出演:畑中章宏(民俗学者)× 山縣良和

会場:アーツ前橋スタジオ

定員:40名(参加無料/要予約・観覧券)

協力:FashionStudies®、jenelyno®

vol.4「生き抜くためのファッション教育 – coconogaccoのアトリエから」 coconogacco設立から16年。「世界と自分自身の装いの原点に向き合いながらファッションを学ぶがっこう」 の歩みを振り返りながら、そのメソッドの今日性について考えるトークセッション。

日時:6月1日(土) 18:10〜19:30(17:40よりアーツ前橋1Fエントランスで受付開始)

出演:谷川嘉浩(哲学者)× 津野青嵐(アーティスト)× 山縣良和

会場:アーツ前橋 地下ギャラリー
定員:40名(参加無料/要予約・観覧券)

*この他、本展担当キュレーターが展覧会を案内するキュレーター・トークを期間中の土曜日に隔週で実施します。 *各回への参加方法・詳細はアーツ前橋ウェブサイトをご確認ください。

writtenafterwards

WEB:https://www.writtenafterwards.com/

Instagram:@writtenafterwards

アーツ前橋

WEB:https://artsmaebashi.jp/

Instagram:@arts_maebashi

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