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フォトグラファー磯部昭子さんの個展『透明人間』開催中!

2023.08.01

『装苑』本誌でもおなじみの人気フォトグラファー磯部昭子さんの個展『透明人間』が、東京・馬喰横山にあるSOM GALLERYで開催中。ファッション写真、ポートレートから広告ビジュアルまで媒体で問わず、独自の視点と感覚で映し出される写真のすべては、磯部さんにしか撮れない唯一無二の作品でもある。ぜひこの機会に、磯部さんの写真の世界に触れてみてほしい。

なお、編集部に届いた今回の個展のご案内にあった磯部さんの言葉がとても素敵なので、ここに紹介させていただきたい。

例えば限定のクリア版とか、ガチャガチャのシークレットのクリアだったりとか、何かと特別感を演出するにふさわしい透明について、子供心にあれは魔法のようであった。周りが透けて見えるなんて魔法でしかないだろう。水に沈めると消えて無くなってしまう、でも実体はある。なんて摩訶不思議な物体なんだと私は夢中になっていった。そういうものはどこか信仰にも似ている。

私たちが視覚で物事を把握している時、透明なモノは周りにあるモノが透けてこそ透明であることがわかるしその存在を把握できる。私たちの見ている世界は人間の眼差しあってこそその場に存在していることが言えるし、見えていないところに世界は形成されていないと言っても過言ではなく、その時背後にあるのはむしろ気配といった不確かさである。
そんな時「透明人間」という言葉が浮かんだ。

ちょっとふざけている感じが好きだ。私たちは生まれながらに透明人間で、だれかに見られてこそ存在している。個を知らしめるために着飾ったり印をつけたりするんじゃないかと。個々の見ている世界はきっと絶対交わらないし、同じ世界はないと思う。ちょっとずつ違うし、全然別物かもしれない。本当にこの世は不確かさの塊だから。だから私は人を撮る時も物を撮る時も、よくわからないから信仰の対象物のように撮影してしまうのだ。

2023年7月 磯部昭子

磯部昭子個展『透明人間』
期間:開催中~2023年8月13日(日)
開廊時間 : 13:00〜19:00 (水曜~日曜) ※月曜、火曜 休廊
場所:SOM GALLERY
   東京都中央区日本橋横山町4-9 birth 5F
アクセス:都営新宿線「馬喰横山駅」A1出口より徒歩1分

Akiko Isobe●武蔵野美術大学造形学部映像学科在学中より創作活動を始め、写真作品を多数発表。2000年にフィリップモリス・アートアワード入選、エプソンカラーイメージングコンテスト伊藤俊治審査委員賞を受賞。2001年に第18回写真『ひとつぼ展』入選を果たし注目を集める。大学卒業後、フリーランスとして活動を開始。雑誌やCDジャケット、その他広告を手がけてきた。2010年、第1回アインシュタインフォトコンペティションにて後藤繁雄審査委員賞受賞。主な個展に『LANDMARK』(G/P gallery、東京、2018)、『Dummy』(G/P gallery、東京、2016)、『DINNER』(G/P gallery、東京、2015)、『u r so beautiful.』(GALLERY SPEAK FOR、2013 / ガーディアン・ガーデン、東京、2012)。主なグループ展にKG+2022『Extras in the Fog』、松本市美術館×松本PARCO『パルコde美術館』、『集美xアルル国際写真フェスティバルTokyo Woman New Real New Fiction』など。主な写真集に『VIDEO LOOP』『ALTER EGO』(私家版)がある。現在は東京を拠点に活動。
公式サイト:http://www.isobeakiko.com/
Instagram:@akikoisobe