「若い才能を発見し、世に送り出す」という精神で、新人デザイナーの登竜門として1956年に創設されて以来、コシノジュンコさん、髙田賢三さん、山本耀司さんなど数多くの著名デザイナーを輩出してきた「装苑賞」。本日、文化学園遠藤記念館大ホールにて、今回の装苑賞を選出する「第95回装苑賞公開審査会」が審査員と一部の関係者を招いて開催され、『装苑』公式YouTubeチャンネルにて生配信も行われた。
『装苑』2021年5月号誌上にて掲載された32組の中から、2次審査を経て各審査員が2組ずつ選出し、計16組の候補者が、各3体のミニコレクション形式で発表。日本のトップデザイナー8名の審査の結果、装苑賞は長谷川里紗さんに輝いた。
長谷川里紗さんは、名古屋ファッション専門学校 ファッションマスター科を卒業後、現在はサンラリーグループにてデザイナーとして勤務。作品テーマは「emerge ~浮かび上がる立体~」。平面上に歪んだ線や直線を入れるだけで「立体がある」と錯覚することから、陰影を加えることで、立体を強調し、錯視を利用した作品に仕上げた。ドレスの上からオーガンジーを重ねることで陰影を表現したことや、着用したときに真球に見えるようにパターンを引き、正面から見ると立体、横や斜めから見ると平面に見えるような構造にしたことで審査員から高い評価を受けた。また、長谷川さんはPR01. TRADE SHOW特別賞も受賞し、W受賞に輝いた。
装苑賞佳作1位はコ・トヒョンさん(大阪文化服装学院 ファッションクリエイター学科)、佳作2位は島谷達廣さん(武蔵野美術大学 造形学部 空間演出デザイン学科を卒業後、現在は武蔵野美術大学にて造形学部 空間演出デザイン学科 助手として勤務)。
配信の様子はこちらからご覧になれます。
※第95回装苑賞受賞作品や公開審査会の模様は、2021年7月28日(水)発売の『装苑』2021年9月号でも詳しくお伝えします。ぜひご覧ください!
装苑賞/PR01.TRADE SHOW特別賞 W受賞
長谷川里紗「emerge ~浮かび上がる立体~」
装苑賞 佳作1位
コ・トヒョン「Has our spring been lost?」
装苑賞 佳作2位
島谷達廣「SEX感の拡張」
Photographs:Josui(B.P.B.)