ユイマ ナカザトはトロイア戦争に思いを馳せて。
2024年春夏オートクチュールウィークより

2024.02.21

2024年春夏オートクチュールコレクションが1月22日から4日間の日程で開幕。
今シーズンの必見のショーや気になるトピックスをご紹介します。

ユイマ ナカザト(YUIMA NAKAZATO)が、2024年春夏クチュールコレクションを発表しました。

デザイナーの中里唯馬は、2月21日にスイスで公開されるオペラ「IDOMENEO(イドメネオ)」の衣装デザインを担当。今シーズンのショーは、その総合演出を手がけた振付家シディ・ラルビ・シェルカウイとの共創によるものです。

物語の舞台となったのはギリシャのクレタ島。実際にそこを訪れ、古代ギリシャの甲冑などからインスパイアされたデザイナーは、トロイア戦争に思いを馳せ、数千年の時を越えた現代社会を見つめ直したことが、このコレクションの出発点となったといいます。

「一連の制作のプロセスの中で、“儚い(はかない)”という意味を表す『泡沫(うたかた)』という言葉に辿り着いた。機能性や耐久性といった、現代に至るまで重要視されている、男性の衣服の進化においての正解とは対極にあるような言葉だ。私が表現したかったのは、水面の泡のように、繊細で一瞬にして消えてしまうような泡沫な甲冑。それは戦いからの解放や、放棄の意味でもある。使い古されたユニフォームやワークウェアを粉砕、再生したテキスタイルと、陶器、ガラス、プラチナ製の装飾により生み出された繊細で、儚い甲冑という矛盾した存在を通して、別様でありえた衣服の進化を示す」

今回の試みは、古代から続く男性服の進化の道筋にクチュールの繊細で儚い手仕事の要素を融合することでもあったそう。優雅さを纏ったモデルたちは戦士のイメージながら、平和への祈りを感じさせるショーでした。

デザイナーの中里 唯馬さん

Text:B.P.B. Paris

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