TENDER PERSON(テンダーパーソン)
ファーストコレクションのバックステージ

2023.04.05

TENDER PERSON

楽天ファッションウィーク東京 ファーストコレクション

Dreaming of me

文化服装学院卒のデザイナーデュオ、ヤシゲユウトさんとビアンカさんが手がける「TENDER PERSON(テンダーパーソン)」。2014年、文化服装学院在学中にブランド活動をスタートした彼らが、昨年TOKYO FASHION AWARDを受賞。今季、楽天ファッションウィーク東京へ初参加を果たした。

舞台は公式会場の渋谷ヒカリエホールA。ランウェイには約3000本ものフラワーロスのカーネーションが立ち並ぶ。テーマ「Dreaming of me」は、デザイナーの2人が感じた緊張、抑圧、葛藤から来る「悪夢のような日々」の続きをひとつの物語として描いたもの。発表の場であるショー会場はふたりの描く物語の最後の場面。

テンダーパーソンの世界を拡げるための“通過儀礼”のような日々を乗り越えたデザイナーのふたりは、力強い眼差しで、時に目に涙を浮かべ会場を訪れたゲストと物語のラストを迎えた。

『装苑ONLINE』では、ブランド3回目となるランウェーショーの、希望と緊張に溢れた舞台裏をレポート。ショー開催後日、デザイナーに行ったインタビューも合わせてお届け。

photographs : Josui Yasuda(Back Stage,B.P.B.),Emi Hoshino(show,B.P.B.)

 この記事の内容 
p1 ショーの舞台裏に密着
p2 デザイナーインタビュー

TENDER PERSON(テンダーパーソン)
デザイナーは、文化服装学院を卒業した男女デュオ、ビアンカとヤシゲユウト。文化服装学院時代に行った展示会が話題を呼び、在学中にブランドスタート。3回目の展示会となる2016′-17年秋冬で本格的にブランドを始動。2020年に予約制の旗艦店をオープン。2022年春夏で初のランウェイショーを開催。ブランドコンセプトは自由に常に追求し表現し続けること。ポジティブな姿勢を反映したポップなアイテムが揃う。

 3月15日(水)

TENDER PERSONのコレクション発表は楽天ファッションウィークの3日目。装苑カメラがバッグステージに入ると、11:00からのリハーサルに向け準備が行われていた。メイクルームではデザイナーのヤシゲユウトがモデルと談笑する様子をキャッチ。

待機中のモデルとコミュニケーションをとるデザイナーのヤシゲユウト

 10:30 フィッティング 

メイクを終えたモデルが次々とバックステージに移動し、フィッティングを開始。各ラックにかかったフィッターカードに沿い、フィッターがスムーズに着せ付けを行っていく。

モデルごとに用意されたラック。

2体モデルは次の衣装にスピーディーに着替えることができる

今回のコレクションのファーストルック

体数番号とモデル別のスタイリングが書かれた表

着せ付けとスタイリングを担当するデザイナーのヤシゲ ユウト。リハーサルから入念に、ドローイングやリボンの調整を行っていく。

左:ゾンビの肌感をジャガード素材で表現

右:ホラープリントをベルベット地で中世風に

ブランドシグネチャーのファィアーモチーフアイテム

今季も豊富にラインナップ

着替えを終えたモデルはリラックスしたムード。

左:初めて取り入れた技法、注染染めのセットアップ

右:パターンの突然変異で誕生したという大きなタイカラーと、

職人が施したファィアー型のカッティングがポイント

切り替えのあるスリーブはまるでミイラの包帯のよう

ルックに合わせるアイウェアを再度確認するヤシゲ

今回のショーディレクターはSHINGO TATAI (SUN DESIGN INSTITUTE.)。フィッティングが終わったモデルたちへ、歩行や立ち位置についての説明がされる。

実際の立ち位置を舞台上で確認

関係者たちが見守る中、いよいよリハーサルがスタート。

 11:00 ランスルーリハーサル 

ランウェーの周りには、GANON FLORIST フラワーアーティストのHikaru Seinoさんによるフラワーロスのカーネーションが約3000本。 ショーの最後、ゲストがお花を持ち帰るまでが演出。

テンダーパーソンのアイコン、ファイアーモチーフを使ったローファー

刺繍のユリモチーフは、デザイナーの本名

「ビアンカさゆり」がアイデアソース

何度か歩き方を試し、階段を降りるタイミングや立ち位置、演出を細かく調整していく。

外で受付まわりの対応をしていたデザイナーのビアンカも合流。

 11:30 ヘア&メイク最終調整 


リハーサルが終わり控室にモデル一同が戻ると、ヘア&メイクの最終調整がスタート。

ヘア&メイクを担当したのはTONI&GUYチーム。

テーマである「悪い夢の続き」に合わせ、デザイナーのビアンカが特にこだわったというヘアメイク。「リハ前の段階で細かくチェックしたのにも関わらず、もうちょっとこうしたい!という要望が出てきて困らせてしまいました」とビアンカ。

左:メンズはクマを強調し血色感を消したメイクアップ

右:根本はウェット、毛先はドライに!悪夢を見てかいた寝汗を表現

リハーサルを踏まえ、涙(ラメ)を付け足していく

ウィメンズモデルの下唇は、血色を消していく

上下で生きた人と死んだ人をイメージ

 11:30 ドアオープン 


ファッション関係者やデザイナーと繋がりのある人々が続々と来場。青い照明の下で透き通るようなカーネーションは会場を神聖な空気感で包み込む。来場したゲストはファーストショーとなる発表に期待を膨らませ、ショー開始の合図を待つ。

バッグステージでは、ヘアメイク、着せ付けの最終調整中。真剣な表情で最後の打ち合わせを行うデザイナーのヤシゲとビアンカ。

着せ付けの最終調整を行うデザイナーのふたり

寝汗風のヘア&唇の半分のみに血色感をつけた

ビアンカのこだわり溢れたヘアメイク

ショー開始直前まで、和やかな雰囲気。

いよいよモデルが整列。張感感が高まる。

 12:00 ショースタート! 

ビアンカ&母が手がけた手編みニット

緑色のドロドロディテールゾンビの血を表現

手元は2020SSより登場したサーモグラフィーテキスタイルのグローブ

お花のようなモチーフの鍵編みニット。首元のアクセサリーはTENDER PERSONの文字をかたどっている

ラストに登場しランウェーを一周するヤシゲ ユウトとビアンカ

ショーが無事に終了し、涙を見せる様子も

congratulations!!!

NEXTショーの後日、ビアンカ、ヤシゲユウトにインタビュー。コレクション写真掲載。

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