6月24日から6日間の日程で、2026年春夏パリ・メンズファッションウィークが開催され、70ブランドが公式スケジュールで新作を発表。今シーズンの必見のコレクションや注目のトピックスをご紹介します。

FINALE BY ADRIEN DIRAND
今シーズン、最大の注目株はジョナサン・アンダーソンによるディオールの初コレクションだった。
長年、ロエベで手腕を発揮してきたアンダーソンは、メンズ、ウィメンズ、オートクチュールと、すべてのコレクションを統括するクリエイティブディレクターに就任。その初陣として披露されたのが今回のメンズコレクションである。

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ディオールは豊かな歴史と美学的コードを持つメゾン。その言語を解読し、再編成することを目指したというコレクションは、歴史と革新の共存を語ると同時に、職人技の極致を証明するものだった。
象徴的だったのは、ムッシュ・ディオールの代表作「バー」ジャケットの再解釈。ボトムに合わせた立体的なカーゴパンツは、1948-49年秋冬オートクチュールのイブニングドレスが着想源になった。

18世紀から19世にかけてのメンズウェアからもインスピレーションを得ていて、当時のウエストコートを忠実に再現したピースもある。アンダーに着用したフィット感のあるケーブルニットは、ロココ調の小さなローズ刺繍が優雅さと華やぎを添えていた。


全体を通してノーブルな雰囲気が漂い、多くのルックではボウタイなどのネックウェアがアクセントに。ビロードのテールコートにはユーズドデニムを合わせ、ラフなシルエットはシルクスカーフでドレスアップ。フォーマルとカジュアルを絶妙に合わせたコントラストの妙が、まさにジョナサンらしいスタイルを印象づけた。




































































Courtesy of Dior
Text:B.P.B. Paris
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