6月24日から6日間の日程で、2026年春夏パリ・メンズファッションウィークが開催され、70ブランドが公式スケジュールで新作を発表。今シーズンの必見のコレクションや注目のトピックスをご紹介します。

©B.P.B. Paris
民族調の音楽が鳴り響いたコム デ ギャルソン・オム プリュス(COMME DES GARÇONS HOMME PLUS)のショー。今シーズンのテーマは「Not Suits, But Suits」である。“スーツではない、しかしスーツである”という意味のタイトルであり、文字通り、一言でスーツと片付けられないパワフルなスーツが並んだ。
「私たちには、平和と愛と友愛へと導いてくれるシャーマンのような強い存在が、本当に必要になるのではないか。そんな気がしていた」と、デザイナーの川久保玲。

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ランウェイを歩くモデルたちは、黒い三つ編みヘアに大きなツバ付きキャップを被っている。暗闇の中からゆっくりと現れる姿は、祈りの儀式を想起させるものでもあった。
序盤に登場したのは、色彩豊かなジオメトリック柄のスーツ。テーラードジャケットをベースにしながらも、前見頃や両サイドに膨らみをもたせ、ウエストからフレアが広がるシルエットもある。対照的に、ボトムにはすっきりとしたスリムパンツを合わせ、フォルムのコントラストを際立たせていた。

続くブラックシリーズは、ホワイトシャツがアクセント。厳かな雰囲気だが、装着されたジップの隙間から華やかなフリルを覗かせていた。

立体的な二重襟が印象的なジャケットは、襟の素材や色を切り替えることでメリハリをつけ、プリーツ加工を施したキュロットスカートやワイドパンツをコーディネイト。カラフルなストライプのパーカやエプロンのようなピースをレイヤードしたルックもインパクトがあった。


終盤には、スーツの定番であるピンストライプの生地も使われたが、トロンプルイユやジップの遊びを取り入れて、まったく新しいスタイルへと昇華。まさに、スーツを超えたスーツである。

キャップを手がけたのは、帽子の分野で「フランス国家最優秀職人」の称号を持つ日爪ノブキさん。






































Photos : Courtesy of COMME DES GARÇONS HOMME PLUS
Text:B.P.B. Paris