映画『アイスクリームフィーバー』と4人の女性たち

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スタイリスト飯嶋久美子　
4人のキャラクターと衣装

アーティストのステージや演劇、CMなど様々な衣装を手掛けている人気スタイリストの飯嶋久美子さん。監督の千原さんはこれまでも多くの仕事を共にしてきている存在で、今回の初監督作品においても、信頼をおける飯嶋さんに人物像イメージに合わせた衣装を託したのではないだろうか。そんな飯嶋さんにも今回の作品について、また、4人の人物像と衣装イメージについて教えてもらいました。

「アーティストのステージなどと違い、映画やドラマの映像作品には脚本があり、人物像が移ろっていきます。そのため、1人の人物を多方面から表現することを意識しています。

長年一緒にクリエイションをしてきたおかげか、千原さんは私からの提案に対して寛容に受け入れてくれることが多いです。今回の衣装についても、初回の打ち合わせでそれぞれの役のファッションイメージをまとめて提案してくれていたので、すぐにイメージを共有することができ、具体的な提案に進められました」

吉岡（里帆）さん演じる菜摘は、美大卒で挫折を経験し、新しい仕事や恋愛に心が動く、今っぽい人物像に仕上がるようスタイリングを組んでいきました。決して派手ではないけれど差し色を入れたり、部屋ではグラフィックTシャツを着ているなど、彼女のセンスを垣間見られるようなリアリティを監督と相談しながら作っていきました。ブランドは“アパートバイローリーズ”や“ジーナシス”を中心に合わせています。

モトーラ（世理奈）さん演じる佐保は、若手作家で、モノトーンの服しか着ないクールな人物像です。“ジーナシス”をメインにスタイリングしました。リアルな東京のお洒落な女の子を表現したく、小物のスタイリングで個性を追加しています。ベレー帽は“spolorum×PUNK CAKE”のフェルトとベルベットの半々にしたデザイン。素敵なデザインのアクセサリーは“moil”、可愛い靴下は“Kiwanda”。監督こだわりのメガネ（“zoff”）をかけたスタイルもあります。

松本さん演じる優は、カジュアルな中にも個性が光るスタイルにしようと思っていました。バリバリ仕事をこなすOLでありながら、銭湯を愛する人物像。そして、複雑な過去の記憶と共に生きている女性。松本さんはこの役に合わせてヘアーをカットしてきてくださり、優の衣装が何倍も素敵になりました！ユニセックスなスタイリングは“レイジーブルー”で、メンズラインのスウェットを着ています。また、OLのスタイリングは“エルーラ”、“ミスティウーマン”、アクセサリーは“ete”です。

監督が自ら声をかけてくれた“キャンディストリッパー”のカラフルなTシャツも印象的に使用することができています。

詩羽さん演じる貴子は、高校生の制服とアイス屋さんの制服がメインでした。詩羽さんの個性を活かしたそのままの人物像がとても強くて素敵でした。『恋する惑星』が好きな監督にちなんで、アイス屋さんの制服は黄色が良いのでは？と提案し、胸元に刺繍をいれてオリジナルを制作しました。アイスクリームの可愛いロゴが来るのかと思ったら“百”のロゴだったので「おーおーそういう感じね」って思いました（笑）