世界中のファッション、デザイン、アートを中心とした300ブランドが参加するクリエイティブの祭典「rooms39」が、2019年9月4日(水)〜6日(金)の3日間、五反田TOCにて開催された。設立20周年を目前に控えた今回は、「デザイン」「思考」「環境」「文化」「テクノロジー」「心身」をコンセプトに、7エリアにわけて、価値観や市場の発見を試みている。ここからは、編集部が注目した海外の若手ブランドや、もの作りにこだわりを持つユニークなクリエイターなど、”新しい出会い”をご紹介。
Photographs:Jun Tsuchiya(B.P.B.)

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H.P.FRANCE 「エントランス」

受付を入ってすぐに広がるのは、アッシュ・ペー・フランス監修による、「リラックスする」をコンセプトとした架空のホテル。敷地内には客室、バーラウンジ、お土産ショップが登場。

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「Yuhan Wang」
“独自の解釈から生まれる ファッションとフェミニズムの融合”

クリエイティブな視点で「社会的テーマ」を伝えることで、次世代に共感の輪を広げていくことを目的としたプロジェクト、「I just αm(私はただ私)」が初参加。今回は、自分自身のクリエイティブでユニークな活動に誇りを持つ、アジア人。「スレイジアン」をテーマに、4組のクリエイター達が集結し展示を行った。
その中でも注目したいのが、ロンドンを拠点に活躍する、セントラル・セント・マーチンズのファッションデザイン科を卒業した中国人デザイナー、ユハン・ワン(yuhan wang)さん。彼女の生み出す作品は、女性の外側と内側に焦点を当ててて作成されており、写真の真ん中のモデルが着ている柔らかなベールの洋服は、肌を隠すことと露出することの境界線のレイヤーをイメージして作られている。独自の解釈から生み出される、ユハンさんの作品に今後も目が離せない。
Instagram:yuhanwangyuhan

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「VL BY VEE」
“タイ発! 鮮やかな色合いとペイントで、着ている人にエネルギーをあたえる服作りを志して”

実力のあるタイの若手ブランドが集まるブース「THAI SENSE」で、目を引いたファッションブランド「VL BY VEE(ヴィーエル・バイ・ウィー)」。デザイナーを務める日本とタイのハーフのVEEさんは、もともとはアーティストだったという。日本の神戸芸術工科大学 大学院で染織を学び、タイに帰国後、アーティストとして活動。趣味だった服作りには、ポップアップショップの成功を機に本格的に取り組むようになった。そのため、パターンや刺繍のすべてのアートワークは、VEEさんが自ら手がけている。アーティストをしていたからこそ活きる、南国らしい鮮やかな色彩感覚と、デザイナー自身が描く華やかなバラのパターンは、見ているだけで明るい気持ちにしてくれる。「服を作るときは、着る人がポジテイブな気持ちになれるよう、エネルギーを送っています。着る人にその思いが伝わるとうれしいです。」
Instagram:vlbyvee

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「SOGU」
“誰かに必ず贈りたくなる、プロダクトデザイン会社が作るライフスタイル雑貨”

大阪の本町でプロダクトデザイン会社「株式会社 Y」を営む三宅喜之さん。約1年前にはじめたライフスタイルブランド「SOGU(ソグ)」の商品は、その名のとおり、余分な要素を削ぎ落としたシンプルなデザインと、斬新なアイデアがつまっている。アクリル紐一本で、本やクリアボックスなどを部屋に簡単に飾れる「SOFT LOOP SHELF」や、必要最低限の四隅のL字形状の壁で、A4のコピー用紙の端を美しく整えてくれる「PAPER SERVER」など、”あるようでなかった!こんな物が欲しかった!”と思わされる、実用的かつスマートなアイテムばかりだ。”人の笑顔がみたい。喜ばせさたい。”という想いからアイデア出しをし、その後、本当にユーザーニーズがあるのか検証を重ねて商品化するからこそ、クオリティの高いアイテムがそろう。
Instagram:@sogu.co.jp

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「Luce macchie」
“作る工程まで美しい、ガラスでできたアクセサリー”

6年前の装苑主催の展示会「SOEN WHITE」への出店が、ブランドとしてのスタートだったと語る、ジュエリーブランド「Luce macchia(ルーチェ マッキア)」デザイナーの寺西麻紀さん。見れば見る程、有機的な魅力に吸い込まれるLuce macchiaのコンテンポラリーアクセサリーには、ガラスが欠かせない。多摩美術大学の彫刻学科出身の寺西さんが、いろんなマテリアルに触れてきた中で、ガラスに行き着いた理由は、「熱したときに、蜂蜜のように滑らかな液体になっていく工程が美しいからです。出来上がりはもちろん、作る過程に価値を見出したからこそ、ストレスフリーで制作が続けられます。」そして、完成したアクセサリーは、型や質感がすべて異なるので、同じものが一つとしてないことも魅力。光の加減で、印象が変わるガラスのアクセサリーをぜひ手にとってみて。
Instagram:lucemacchia

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「S.F sukoshifushigi」
“誰かの好きを肯定するために、自分を肯定して生まれる作品達”

2015年にタレントのファンタジスタさくらださんがスタートしたファッションブランド「S.F sukoshifushigi」。ブースには、森で集めた枝をピンクに染め上げ、ガラスビーズでデコレートした砂糖菓子のようなアクセサリーや、カモフラージュ柄を淡い色に落とし込んだ洋服など、ガーリーな世界観が広がっている。「大きなシーズンテーマは掲げず、自分の”好き”を詰め込んだアイテムを制作しています。私は大人ですけど、子供のころに影響を受けたピンクやファンシーなアイテムなど、可愛いものが今でも大好きです。そんな自分の好きなものを肯定し続けることで、”自分には似合わないから”と好きなものに蓋をしている人のきっかけになりたいと思っています。”年齢や性別関係なく、着たいものを着ていいんだよ。”という共感の輪を広げたいです。」
Instagram:@s.f_for_you

roomsの次回開催が決定!今回行けなかった人は、ぜひ足を運んでみて。

「rooms40」
期間:2020年2月20日(木)〜22(土)
時間:10:00-18:00
場所:国立代々木競技場 第一体育館
WEB:www.roomsroom.com/