
「A Bunch of Designers」のポップアップより。
リシュモン(RICHEMONT)が支援する若手デザイナー6人によるプロジェクト「A Bunch of Designers」のポップアップが、パリのマレ地区で開催されている。
このプロジェクトは、アルベール・エルバスのレガシーを受け継ぐ「AZ Academy: Business for Designers」から発展した取り組み。参加したデザイナーたちは、ブランド運営に必要な知識を学び、それぞれ初となる商業カプセルコレクションを発表・販売している。

「A Bunch of Designers」に選出されたデザイナーたち。前列左からLiwen Liang、Sandra Jao、Manon Marcelot。後列左からCaterina Moro、Brais Albor、Merle Breuker。Photography: Quentin Mer / Courtesy of AZ Academy
「AZ Academy: Business for Designers」は、リシュモンの「Creative Academy」とファッションスクール「Accademia Costume & Moda」が提携し、若手デザイナーの育成を目的にスタート。第1期では、世界各国のファッションスクールの卒業生や若手デザイナーを対象に公募が行われ、選ばれた19人が12か月にわたる教育プログラムを受講した。今回のポップアップに参加するのは、その中からさらに選出された6人である。
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才能があっても、自身のブランドを立ち上げ、継続していくためには、クリエイションとは異なる多くの知識や経験が必要である。特に若いデザイナーにとって、生産、流通、価格設定といった実務の壁は決して低くない。そうした部分を、経験やネットワークを持つ企業が支え、クリエイターが自らの個性を保ちながら市場へ踏み出せる環境をつくることは、ファッションの未来につなげていく上でも重要な試みといえるだろう。
選ばれたデザイナーのひとり、サンドラ・ジャオ(Sandra Jao)さんは「私たちのような若いブランドにとって、こうしたサポートは本当にありがたいです」と話す。

「同じスタートラインに立つデザイナーたちと出会えたこと大きな収穫でした」とジャオさん。
フィリピン出身、東京の文化服装学院を経て、文化ファッション大学院大学(BFGU)で学んだジャオさんは、日本の技術革新とイタリアの職人技を融合させた実験的なウィメンズウェアを制作している。YKKのテープのないファスナー「AiryString®」や東レの高機能人工皮革「Ultrasuede®」といった日本の先端テクノロジーから生まれたマテリアルもコレクションの要となった。




「自分のブランドを立ち上げるのは、まだ早いと思っていましたが、たくさんの方々に支えられて、こんなチャンスは一回しかないので、チャレンジしてみようって思ったんです。もっとブランドを大きくして、パリでも日本でも、コレクションを発表できるようになりたいです」
若いデザイナーのクリエイションを作品で終わらせず、継続可能なブランドへと育てていく。「A Bunch of Designers」は、まさに教育と市場をつなぐプロジェクトである。




ポップアップは10月17日まで。パリ3区の「Heureux Les Curieux」で開催中。
● Heureux Les Curieux
23 Rue du Pont aux Choux, 75003 Paris, France
AZ Academy 公式サイト
Instagram:@az.abunchofdesigners
Photographs & Text:B.P.B. Paris