paratrait(パラトレイト)は
ネパールの山岳仏教にオマージュを捧げたディテールと近未来的なアイテムで新たなモードを演出
Rakuten Fashion Week TOKYO 2025-’26AW レポート

2025.03.26

文化服装学院出身で、バーバリー(Burberry)やアレキサンダー・マックイーン(Alexander McQueen)で研鑽を積み、現在はダイワ(DAIWA)のデザイナーも務めるなど、豊かな経歴を持つデザイナーの坂井俊太さんが手がける、パラトレイト(paratrait)。

「PARALLEL PORTRAIT(並行世界の肖像)」をブランドコンセプトに掲げる同ブランドによる、5シーズン目となる2025年秋冬コレクションは、初のランウェイショー形式で発表された。

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ネパールのカトマンズに伝わる古代仏教や山岳崇拝からインスピレーションを得たというシーズンだが、カラーパレットは都会的で、ブルー、ブラック、グレーなどのベーシックなものが中心となった。

ファーストルックに登場したのは、トラッドな雰囲気を演出するダークグレーのコート。ブラックレザーのブーツを合わせた硬派なスタイリングだが、ホワイトのファーと、近未来感のあるアイウェアがモードな印象を与える。

毛足の長いファーは、アウターとしても登場。大きめのトグルがワイルドな印象を与えるファーコートは、ファーストルックと同型のロングブーツや、チューブのような首元のアクセサリーなど、全く異なる世界観のアイテムと合わせている点が印象的。

ショーの中盤で登場した、中綿入りマフラーも大きな注目を集めた。このアイテムは’24年秋冬シーズンで、当時は天狗の鼻をモチーフに、ねじれたデザインで発表したもの。今回はイエティを着想源にしたまっすぐなデザインで、肩掛けするスタイルで登場した。

ショーの最後を飾ったのは、ブルーやグレーなどの寒色の柄と複雑な光沢で構成されたアウター。ネパールで作られるゲリという織物の模様から着想を得ており、ポリエステルのニット地をベースに織りと編みを組み合わせるという、高度な技術を用いて制作された。

以前はランウェイショーを開催することに対して、あまり前向きではなかったと語るデザイナーの坂井さん。それでも今回のショー開催にいたった背景には、信頼を寄せるショーディレクター、VISIONS AND PARADOXの酒井文章さんの存在があったという。

2人はもともと文化服装学院時代の同級生。学生時代をともに過ごした二人がショーで協力関係を結ぶというエモーショナルな側面もあった。

paratrait
WEB:https://www.paratrait.com/
Instagram:@paratrait

Courtesy of paratrait
Text : SO-EN

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