ルイ・ヴィトンは、パリからインドへの旅のイメージ。
2026年春夏パリ・メンズファッションウィークより

6月24日から6日間の日程で、2026年春夏パリ・メンズファッションウィークが開催され、70ブランドが公式スケジュールで新作を発表。今シーズンの必見のコレクションや注目のトピックスをご紹介します。

ファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)が手がけるルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)の今シーズンは、パリとインドをつなぐ旅がイメージソースになった。

ショー会場はパリの中心部に位置するポンピドゥー・センターの広場。舞台セットは「スタジオ・ムンバイ」とのコラボレーションによるもので、古代インド発祥のすごろくゲーム「蛇と梯子」から着想を得ている。人間をコマに見立てた巨大なゲームボードの上をモデルが歩く演出だ。

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コレクションのカラーパレットは、インドの自然や都市風景の微妙なニュアンスが参照され、太陽の光で色褪せたようなトーンもある。現代インドの多様な感性を、布地、カッティング、クラフツマンシップに取り入れ、メゾンのダンディズムにエキゾチックなスパイスを加味したワードローブになった。

柔らかいテーラリング、インナーをラフにレイヤードしたスタイリングも特徴的で、カジュアルな雰囲気だが品よくまとめられている。また、インドの登山文化へのオマージュとして、シェルジャケットやフリース風ブルゾン、登山ブーツなども提案。中には贅沢な装飾が施されたデザインも。

特に目を引いたのは、動物や椰子の木のモチーフだった。これはウェス・アンダーソン監督の映画『ダージリン急行』(2007年)のために、ルイ・ヴィトンが制作したスーツケースに使われていたもので、初めてコレクションの一部として登場。服やバッグを彩る刺繍やプリントになり、ポップな印象を与えていた。

ショーを盛り立てたミュージックは、ファレル自身が作曲・プロデュースしたオリジナルサウンドをアメリカのゴスペル合唱団とフランスの管弦楽団が演奏。インドの作曲家が共同プロデュースした楽曲などもあり、異文化が交錯するエネルギッシュなスペクタクルが繰り広げられた。

Courtesy of Louis Vuitten
Text:B.P.B. Paris

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