イッセイ ミヤケは現代アートと共演で、“曖昧さ”を表現。
2025-’26年秋冬パリ・ファッションウィークより

3月3日から9日間の日程で、2025-’26年秋冬パリ・ファッションウィークが開催され、およそ110のブランドが公式スケジュールで新作を発表。今シーズンの必見ブランドやトピックスをご紹介します。

イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)は、「[N]either [N]or」と題されたコレクションを発表。形態、質感、意味合いにおいて、相反する二つの要素を結びつけ「どちらかである(either or)、どちらでもない(neither nor)」という曖昧さを表現している。

デザイナーの近藤悟史が着想を得たのは、オーストリア人アーティスト、エルヴィン・ヴルム(Erwin Wurm)の作品。そこから学んだ「見慣れたものを、意外で独創的な方法で見せれば、見え方が変わり、見方が新しくなる」というアプローチに基づいている。

完成した衣服は、見る人の固定概念を覆すもの。たとえば、“抽象と具象、平面と立体の対話”の章では、ドレスの写真をドレスにプリントすることで、柄のドレープが実際の衣服のドレープと重なったり重ならなかったりする。平面と立体を行き来する表現手法により、“曖昧さ”の錯視効果を引き起こすのである。

“着る人に着る自由を”の章では、ボタンの留め方で前身頃が袖に変形したり、腕を通す位置を変えて中心をずらしたり、気分に合わせた自由な着こなしを楽しめる。

“どんなものでも、身体を通せば衣服になるか”では、ショッピングバッグがトップスになった。“見慣れているものを見慣れていないものに”では、規則的なプリーツ加工、弧を描くハンドプリーツ、ストライプ柄を組み合わせることで、プリーツなのか柄なのか、その境界で視覚的な揺らぎを生み出す。

フットウェアでは、カンペール(CAMPER)とのコラボレーションによる「Peu Form」が新登場。イッセイ ミヤケの「一枚の布」というコンセプトを発展させたもので、一枚の革が足を包み込むようなデザイン。快適な履き心地と脱ぎ履きのしやすさを実現し、スリッパのように着用できるものもある。

受け手を刺激し、想像力を膨らませるコレクションは、まさにコンテンポラリーアートのようだった。

© ISSEY MIYAKE INC.
Courtesy of ISSEY MIYAKE INC.
Runway Photos:Frédérique Dumoulin-Bonnet
Show image/Details : Olivier Baco 
Text:B.P.B. Paris

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