6月21日から6日間の日程で開催された2023年春夏パリ・メンズ・ファッションウィーク。フィジカルイベントが増えた今シーズンは、40ブランドがパリを舞台にショーを実施。待望のリターン組、初ショーを行った新星デザイナー、パワフルなラグジュアリーブランドが一堂に会し、尽きない創造性を披露した刺激的な一週間だった。
AMI PARIS
アミ パリスはモンマルトルがテーマ
アミ パリスはモンマルトルの丘のサクレ・クール寺院前でショーを開催。かつて、ピカソ、ゴッホ、ルノワールなども暮らしたモンマルトルは、貧しい画家とリッチなブルジョワジーで賑わった地域。下町情緒の中にメトロポリタンな多文化のエネルギーが詰まった場所で、今シーズンはそんなパリを象徴するかのようなコレクションが展開された。
「パリの中でもモンマルトルは、私の心の中で最も特別な位置を占めています。これまで住んだパリのどの場所からも、窓からサクレ・クール寺院を見ることができました。モンマルトルには、この街の精神、率直さとエネルギー、ブルジョワとボヘミアンのアイデンティティが凝縮されています」とブランド創設者兼クリエイティブディレクターのアレクサンドル・マテュッシ。
モデルは様々な職業や年齢の多様性に富むキャスティングで、モンマルトルを舞台にした映画『アメリ』の主演女優オドレイ・トトゥがサプライズで登場する演出も。
多彩な色で構成されたコレクションは、クラシックなメンズのスーツからフェミニンなマイクロミニのルックまで、着やすそうなアイテムがそろい、オーバーサイズのユニセックスのトレンチがノンシャランな雰囲気。ブレザーとアーガイルニットのスクールユニフォームを思わせるシルエットもあり、ギンガムチェックやボーダーのモチーフが爽やか。多くのルックに合わせたバリエイション豊かなデニムが若々しい印象を与えていた。
Text:B.P.B. Paris