
スマホを置いて、本を開く時間は、どこかの誰かの考えや世界に触れながら、
自分自身の感性とも向き合える豊かなひととき。
今回は、ファッションやアート、カルチャーを愛する装苑読者におすすめしたい、
東京の個性あふれるブックショップをご紹介。
店主やスタッフの方に、とっておきの3冊をセレクトしていただきました。
本との出合いは、新しい価値観や創作のヒントをもたらしてくれるはず。
世界を広げてくれる一冊を探しに、街の本屋へ出かけてみませんか?
photographs :Jun Tsuchiya (B.P.B.)
/ text : SO-EN
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古今東西の日記が揃う!
日記を読む・書くための専門店
個人的な記録として書かれることの多い日記を、一冊の本としてまとめた「日記本」。「日記屋 月日」は、そうした日記本や、日記にまつわる本を中心に取り扱う専門店だ。


「日記屋 月日」は、2020年にオープンした「日記」のためのお店。日記を書くこと、読むこと、そして日記に書かれる言葉に関心を持つ人たちの拠点を目指し、日記本や日記にまつわる本の販売をはじめ、即売会イベント「日記祭(にっきさい)」、雑誌「季刊 日記」の刊行、ワークショップなど、日記をめぐるさまざまな活動を行っている。
2025年からは、株式会社インテージとともに新たなプロジェクト「日記をつけるプラットフォーム」の構想も。店長を務める栗本凌太郎さんは、主に実店舗の運営やイベント、ワークショップなどを担当している。


「日記の面白さは、誰かに読んでもらうために書かれたものではないという点にあると思います。著者がその日抱いた気持ちの揺れや矛盾が整理されないまま正直に記されており、それが他者にとって自身の生活や感情について考えるきっかけになることがある。日記は、書き手と読み手の心情が思いがけないところで繋がるものだと感じています」
日記屋 月日では、本を売るだけでなく、日記祭やワークショップなど、書いたものを持ち寄ったり、読み合ったりする場もつくっている。「日記を介することで、普段とは少し違う距離や方法で他者と出会えることにも関心があります」と栗本さん。



店内には、実業家の小林一三さんが自身の社会人時代を記した『小林一三日記』や、メソジスト運動を指導したジョン・ウェスレイによる伝道活動記録『ウェスレイ日記』といった日記本から、フリーライターの蒔田志保さんが日常の中で心が揺れ動いた瞬間を綴った『はるがきた』、グラフィックデザイナーの矢口莉子さんが日本各地を転々とする中で感じた思いを書いた『点点(てんふたつ)』など、さまざまな自主制作の日記本やZINEも揃う。
「最近は、日記という形式のなかでも、それぞれに固有の書き方や表現を持つ作品が増えているように感じます」と栗本さん。


また、日記を読み返すことの面白さについて、栗本さんはこうも話す。「日記を読み返すと、当時は気づかなかった自分の癖や、何度も繰り返していること、逆に少しずつ変わってきたことが見えてきます。日付をつけて出来事を残していくことで、その積み重ねから、日付だけでは捉えられない自分の輪郭が見えてくるのも面白いと思います」




お店ではコーヒーやビールも販売しており、店外の飲食スペースで本を読むこともできる。本の販売に加え、日記を書くこと、読むことをめぐるイベントやワークショップなども行う日記の専門店「日記屋 月日」。気になる日記を探しに、ぜひ足を運んでみて。
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—— 装苑読者におすすめの3冊 ——

店長
栗本 凌太郎さん
初めて読む方にもおすすめ!
日記本の沼にハマりたいあなたへ
店長の栗本さんが『装苑』を読むあなたにおすすめの3冊をピックアップ。

『日記をつけて何になる?』
蟹の親子 ¥1,870 柏書房
「日記屋 月日」の初代店長であり、現在はディレクターを務める「蟹の親子」さんが、日記を書くこと、読むことについて、自身の経験をもとに考えた本。
日記ブームとも呼ばれる今、そもそも日記とは何なのかを考えるきっかけになる一冊です

『ティンダー・レモンケーキ・エフェクト』
葉山莉子 ¥1,980 タバブックス
マッチングアプリのティンダー(Tinder)で「日記」と名乗り、毎日見知らぬ人と日記を送り合っていた著者。その約10ヶ月間の実践をもとに執筆した一冊。

『生活の観客』柴沼千晴
¥2,200
著者の柴沼さんが2025年に書いた289日分の日記をまとめた書籍。
約1年分の日記をまとまった形で読むと、日々の出来事だけでなく、その人の考え方や生活のリズムが少しずつ見えてきます。『装苑』読者の方にも、日記を読む面白さを感じてもらいやすい一冊だと思います
INFORMATION
日記屋 月日
場所:東京都世田谷区代田2-36-12 SOHO9 BONUS TRACK
営業時間:9:00〜19:00(年中無休)
Instagram:@nikki_tsukihi
WEB:tsukihi.jp