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過去の装苑も展示!
「イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル」開催中

2023.09.29

オフィスでのイヴ・サンローラン、パリのマルソー大通り5番地のスタジオにて、1986年 © Droits réservés

イヴ・サンローランが2008年に亡くなってから、日本にとっては初めての大回顧展「イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル」。1958年、クチュリエであるイヴ・サンローランは、クリスチャン・ディオールの急死を受け、若干21歳でディオールのデザイナーとして鮮烈なデビューを飾った。その後1962年には自信のブランド「イヴ・サンローラン」を発表。今も日常で活躍するトレンチコート、ピーコート、マニッシュなパンツスーツなどは、イヴ・サンローランの約40年にわたるクリエイションの中から生まれたアイテムと言っても過言ではない。ファッションはもとより、アート、舞台衣装、アクセサリーなどで構成された本展覧会。スタッフのギャラリートークを含め、展覧会の一部をここで紹介。

内覧会のギャラリートークにて。
右から マキシム・カトルーさん(ピエール・ベルジェ・イヴ・サンローラン財団 ヴァイス・プレジデント)/エルザ・ジャンセンさん(イヴ・サンローラン美術館パリ 館長)/小野寺奈津さん(国立新美術館 特定研究員)/セレナ・ブカロ=ミュセリさん(イヴ・サンローラン美術館パリ チーフ・キュレーター、学芸コレクション長)/ジュディト・ラマさん(イヴ・サンローラン美術館パリ キュレーター、テキスタイルアクセサリー担当長)

エルザ・ジャンセンさん 
「ミュゼ・ド・フランスの美術館として世界中の重要な美術館と携わる中で、この度国立新美術館で展覧会が開催となったことを、とても光栄に思っています。この展覧会のプロジェクトは2017年にスタートして、約5年間にわたる準備段階のもと完成することが出来ました。国立新美術館チームとイヴ・サンローラン美術館パリチームのすべてのスタッフに感謝をします。そして皆様にこの展覧会を楽しんでいただけたらと思っています。」

セレナ・ブカロ=ミュセリさん
「1990年の日本での回顧展以降、没後初めての日本の展覧会です。サンローランは1963年に初めて日本を訪れました。それ以来、日本との関わりはラブストーリーといってもいいほど。今回の展示は262点のテキスタイル、アクセサリー、写真、ドローイングなど多岐にわたるもので構成されています。クチュリエとして40年、そして同時に革命家、ロマンティスト、旅行家、パフォーマー、アーティストであった彼を知ってほしいです。この展示では彼自身のクチュールメゾンを立ち上げたときの、1962年の初のキャットウォークのコレクションも紹介しています。」

ジュディト・ラマさん
「この展覧会はイヴ・サンローランのクリエイティブな世界を0~11の全12章で表現しています。0章では序章としてアルジェリアのオランで過ごした幼少期。若き日の創作活動。ディオールのメゾンで過ごした日々。1章はサンローランが自身の名を冠した1962年のコレクションに焦点を当てて。2章はサンローランのメゾンのアイコニックな作品群。3章はフェザーや刺繍などの芸術性に富んだ作品。4章は旅をテーマにスペイン、ロシア、アフリカ、モロッコ、日本など、それぞれの文化を独自の解釈で表現したもの。5章はサンローランの作品を通じて古代から現代までをたどったファッションの歴史。6章はアクセサリー。7、8章は映画や演劇、舞台芸術、ミュージックホールなどにまつわる作品。9章はゴッホ、ピカソ、マティス、モンドリアンなど、インスピレーションを与えられた芸術家たちへのオマージュ。10章は花嫁たち。11章は日本とのつながりの展示。展覧会を深く知りたくなっていただけたら嬉しいです。」

小野寺奈津さん
「サンローランは生前3回の来日をしています。1963年4月、オートクチュールのコレクションを東京の帝国ホテルで開催したとき。その年、現在の東レとの契約でプレタポルテを販売開始しました。これは1966年に開店したパリ左岸の店舗「サンローラン リブ・ゴーシュ」に先駆けて行われたものでした。パートナーのピエール・ベルジェは、西武百貨店と提携し、オートクチュールのサロンをオープンさせ日本でのビジネスを大々的に展開しました。1975年にも再び来日しコレクションを発表。1990年セゾン美術館での回顧展の際にも来日。日本の企業ともライセンス契約をし、日本のファッションに多大な影響を与えた人物です。1990年以来33年ぶりの展覧会、サンローランの服に触れたことがない世代の方たちにも鑑賞いただき、彼が提案したスタイルの普遍性を間近で感じていただきたいです。」

0章 “ある才能の誕生”より。左 ペーパードール。16歳のイヴ・サンローランは「紙のクチュールメゾン」を構想することで将来を夢見ていた。ペーパードールのために、500点を超える服やアクセサリーを紙で制作した。

0章 “ある才能の誕生”より。ディオールでの時代。1958年1月、メゾン・ディオールの初の春夏コレクションで発表したトラペーズ・ラインのドレス。素材はウール。

1章 “1962年 初となるオートクチュールコレクション”より。1962年春夏コレクションのファーストルックで登場したエレガントなピーコートスタイル。装飾性のある金のボタンがアクセントになっている。水兵のワークウェアを都会的なアンサンブルにデザインした。

2章 “イヴ・サンローランのスタイル アイコニックな作品”より。トレンチコート。右はカーフスキン。左は蝋引きしたシルクサテン。しなやかな素材からは女性らしさとリュクスなイメージが伝わる。

2章 “イヴ・サンローランのスタイル アイコニックな作品”より。サファリジャケット。アフリカの宣教師のユニフォームからヒントを得たデザイン。ギャバジン素材の機能的なアイテムはジェンダーレスなイメージ。

2章 “イヴ・サンローランのスタイル アイコニックな作品”より。葉巻の灰を滑り落とすためにシルクサテンの素材を衿にあしらったスモーキング・ジャケット。女性のワードローブとして1966年秋冬コレクションに加えた。

4章 “想像上の旅”より。ロシアに着想を得た1976年の「オペラ・バレエ・リュス」コレクション。繊細な刺繍を施したシルクベルベットのボレロ。燃えるような深紅も豪華に。

5章 “服飾の歴史”より。19世紀後半のバッスルスタイルを再解釈し、現代風にアレンジ。着やすく快適な服に変容させつつも、スタイリッシュにするため特徴的なディテールをデフォルメさせた。

6章 “好奇心のキャビネット ジュエリー”より。「アクセサリーは衣服を、そして女性を変容させる」と語ったイヴ・サンローラン。数多くの存在感あるアクセサリーが並ぶ。

7章 “舞台芸術―グラフィックアート”より。ミュージックホールの衣装のスケッチ。これらを手掛けることで自身の創造性を存分に発揮し、奇抜さを主張する服をデザインすることができた。

7章 “舞台芸術―グラフィックアート”より。「Love」シリーズ。イヴ・サンローランが、愛する人、友人たちに毎年送っていた「Love」をテーマにしたグリーティングカード。

9章 “アーティストへのオマージュ”より。ピート・モンドリアンへのオマージュ。1965年の秋冬コレクションに登場した、グラフィカルに象られたシンプルなシルエットのジャージーのドレスはあまりにも有名。

9章 “アーティストへのオマージュ”より。フィンセント・ファン・ゴッホへのオマージュ。1988年春夏コレクションから、ゴッホの「アイリス」にオマージュを捧げたジャケット。繊細でゴージャスな刺繍はメゾン・ルサージュの職人によるもの。

10章 “花嫁たち”より。1965年秋冬オートクチュールコレクションから「バブーシュカ」ウエディング・ガウン。ロシアの人形マトリョーシカから着想を得た、かぎ針編みのブライダル・ガウン。

11章 “イヴ・サンローランと日本”より。1963年4月イヴ・サンローランは始めて日本を訪れ春夏コレクションを発表。その直後、日本ではプレタポルテが販売された。その服をいち早く誌面に取り上げたのが、本誌装苑(1963年5月号)だった。

©︎ Musée Yves Saint Laurent Paris 

この展覧会開催を記念してチケットを3組6名様へプレゼント!応募は、装苑ONLINE公式X(旧Twitter)をフォロー後、アップされるこのトピックをリポストして完了。締め切りは、10月13日(金)10時まで!当選者の方には、X(旧Twitter)のダイレクトメッセージで直接連絡いたします。

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「イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル」
会期:開催中~2023年12月11日(月)
場所:国立新美術館 企画展示室1E(東京・六本木)
時間:10:00〜18:00
※毎週金・土曜日は20:00まで、入場は閉館の30分前まで
休館日:毎週火曜日
観覧料:一般2,300円、大学生1,500円、高校生900円
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)
イヴ・サンローラン展公式サイト:https://ysl2023.jp