
2026年3月16日(月)〜21日(土)の会期で開催中の「Rakuten Fashion Week TOKYO 2026 A/W」。JFWO設立20周年を迎え「世界の継ぎ目となれ」というテーマを掲げる今季では、全33ブランドによる新たな20年への一歩を刻むクリエイションが披露されます。
装苑ONLINEでは、東京のファッションシーンを牽引する実力派から、今季デビューする注目のニューカマーまで、個々の美学が放たれる最新のコレクションを、独自の視点でお届け!
text : Shigeaki Arai (AFFECTUS)
2023年の設立以来、現代バレエからの着想で注目を集めるアランポール(ALAINPAUL)が、「Rakuten Fashion Week TOKYO 2026 A/W」の最終日にショーを開催した。今回は 3 月にパリで発表されたコレクションを再構成したもので、テーマは「RÉPERTOIRE(レパートリー)」。
会場に足を踏み入れると、上品な香りが甘く漂っていることに気づく。椅子は円形や弧を描くように配置され、ランウェイの面積が大きく取られている。香りの効果も相まって、この場が優雅な舞台に感じられてきた。だが、披露された服は、ただ優美なだけではなかった。


モデルたちが着用していたのは、Aライン、ギャザー、ドレープ、テーラードジャケット、M-65ジャケットといった、服装史に名を連ねる王道のシルエットや技法、アイテムである。いずれも見知ったものばかり。
ではアランポールは「クラシック」なのか。それは違う。
デザイナーのアラン・ポールは、マルセイユ国立バレエ団の学校に在籍していた。バレエを学んでいた彼らしく、服は身体を静かになぞるのみでなく、身体像そのものを揺さぶり、その見え方に変化を出していた。
クルーネックの首元からギャザーが広がるドレスは、腰回りを唐突に膨らませ、淡い花柄のドレスは、アイボリーの編み地が両腕を拘束するように巻きついている。


白いシャツと黒いトラウザーズという、クラシックの中のクラシックなスタイルは、左右の腕にピンクのニット製ロンググローブを装着し、端正な装いのリズムを崩す。ボタン位置を高く設定したテーラードジャケットには、シャツを合わせない。狭く小さいVゾーンには、ネクタイよりもハイネックを選択する。


見慣れた服を、見慣れたままでは終わらせない。クラシックなスタイルを、正統派の素材と正統派の技法を用いつつ歪なプロポーションとして見せる。アランポールが提示したのは、そんなポストオーセンティックだった。





























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