最高純度のラブストーリー映画『Summer of 85』
の衣装を紐解く

1985年の夏、運命の出会いから永遠の別れまで6週間、362万8800秒の物語。狂おしくも切ない初恋に溺れたあの夏。少年同士の瑞々しい刹那の恋に魂が震える、最高純度のラブストーリー『Summer of 85』が、8月20日(金)より、新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマ、グランドシネマサンシャイン池袋ほか全国順次公開。

本作の衣装デザインを担当した、パスカリーヌ・シャヴァンヌさんとオゾン監督は80年代のアメリカ映画から影響を受けており、その時代の典型的なファッションを再現したかったと語る。今回はそんな劇中で彼らが身に纏う衣装を紐解く。

80年代のファッションの特徴であるスポーティーなスタイルが表現されている。ケミカルウォッシュ加工のデニムパンツに色鮮やかなシャツ、首にはバンダナを。ワンピースに大ぶりのイヤリングに髪にはカチューシャを。とにかく派手でポップな色使いが印象的。バンジャマン・ヴォワザン演じるダヴィドが着用する、真っ赤なTシャツにデニムのベストを合わせ、さらにデニムパンツを履きこなすコーディネートは真夏にぴったりな組み合わせ!

オゾン監督は「過去のある時代を描くときには、観客がすぐにその時代を思い出せるような時代のシンボルマークをみつけることが必要だからね。プルーストのマドレーヌのようなもので、それだけでひとつの時代が一気に蘇ってくるようなアイテムのことだ。例えば衣装は、あの頃、誰もがふだんジーンズを着ていたことを思い出した。ジーンズジャケットに、パンタロンもジーンズで、首にはバンダナ。こうしたディテールを見つけ出す作業をしたね。100%のリアリズムではなく、どちらかといえば、あの時代を想起させるスタイルを打ち出すことをしていた。」と語る。

さらに、今もなお多くのファッションシーンで大活躍しているコンバースやリーボックといったスニーカーも登場。それらの履き潰し加減にも注目。コンバースのシューレースを足首に巻き付けて履くスタイルは真似したい。

フェリックス・ルフェーヴル演じるアレックスが着用するのは、ボートネックのボーダーカットソー「バスクシャツ」。今やファッションの定番アイテムとなっているこのシャツはフランスとスペインにまたがるバスク地方で16世紀頃から漁師や船乗りたちが着ていた作業着をベースに作られている。ダヴィドからこのシャツを借りて着用するシーンを見逃さないで!ぜひ、今年の夏は『Summer of 85』の着こなしを参考にファッションを楽しんで。

Summer of 85
公開日:2021年8月20日(金)
新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマ、グランドシネマサンシャイン池袋ほか全国順次公開
© 2020-MANDARIN PRODUCTION-FOZ-France 2 CINÉMA-PLAYTIME PRODUCTION-SCOPE PICTURES
監督・脚本:フランソワ・オゾン
出演:フェリックス・ルフェーヴル、バンジャマン・ヴォワザン、ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ、メルヴェル・ブボー
配給:フラッグ、クロックワークス
WEB:summer85.jp
Instagram:@summer85movie 
Twitter:@summer85movie  

STORY
1985年夏のフランス。進路に悩む16歳の少年アレックスは、今日もひとり波に揺られ、あてもない日々を過ごしていた。ある日、突然の嵐に見舞われ転覆した彼の命を救ったのは、18歳のダヴィド。運命的に出会った2人は急速に惹かれ合い、友情を超えやがて恋愛感情で結ばれる。アレックスにとっては、これが初めての恋だった。愛すれば愛するほどに湧き上がる”満たされない気持ち”。「ほんの一瞬も離れたくない」と願うアレックスを待ち受けていたのは、不慮の事故によるダヴィドとの突然の別れだった――。