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映画『ちょっと思い出しただけ』公開目前!
映画監督・松居大悟×俳優・池松壮亮対談。
何でもない日々と、個人の切実な生を映し出す先に

松居大悟、池松壮亮、尾崎世界観『ちょっと思い出しただけ』に連なる道のり

 映画『ちょっと思い出しただけ』で6年間のある1日を1年ずつ遡って思い出すように、本作までの松居大悟監督、池松壮亮さん、尾崎世界観さんの道のりをおさらい。

2010 ラジオドラマ「相方のあり方」

NHKFMで放送された、松居大悟脚本のラジオドラマ。池松さんと俳優の中尾明慶さんが、主人公のお笑いコンビの青年たちを演じた。松居監督と池松さんの出会いとなった作品。

2012 短編映画『イノチミジカシコイセヨオトメ』、MV「オレンジ」

クリープハイプ「オレンジ」

『アフロ田中』で長編映画デビューを果たした松居監督が、同じ年、クリープハイプの楽曲「イノチミジカシコイセヨオトメ」をモチーフに、同名の22分のショート・フィルムの脚本・監督を手がけたのが本作。その後続く松居大悟×クリープハイプ作品の記念すべき一作目となる。作品は、クリープハイプのメジャー1stアルバム『死ぬまで一生愛されてると思ってたよ』の初回限定盤に付属するDVDに収録された。また、このアルバムのリード曲「オレンジ」のMVは短編映画『イノチミジカシコイセヨオトメ』の物語空間にクリープハイプがいる状況で、スピンオフのように作られている。松居さんがMVの監督をしたのは「オレンジ」が初めて。

2012 舞台『リリオム』

ハンガリーの劇作家・小説家のモルナール・フェレンツによる戯曲を、松居さんが脚色・演出し、池松さんが不器用なならず者の主人公、リリオムを演じた。池松さんの初ストレートプレイ出演作で、尾崎さんは本作にテーマ曲「傷つける」を書き下ろしている。尾崎さんが終演後に弾き語りを行った日も。

2013 映画『自分の事ばかりで情けなくなるよ』、MV「憂、燦々」

『自分の事ばかりで情けなくなるよ』予告編

クリープハイプ「憂、燦々」

それまで発表してきた松居大悟×クリープハイプのショート・フィルム『イノチミジカシコイセヨオトメ』、『あたしの窓』、『おやすみ泣き声、さよなら歌姫』に、あらたに、舞台『リリオム』のテーマ曲だった「傷つける」を映画化して加え、これらを一つの連作映画にまとめあげた作品。2013年10月に劇場公開され、パッケージ化もされている。池松さんは『あたしの窓』と『傷つける』に出演。『傷つける』では、現代版リリオムともいえる暴力性と弱さ、優しさのぎりぎりの狭間を行き来する青年リクオを演じ、短編ながら観客に忘れがたい印象を残した。『傷つける』は、クリープハイプのメジャー3枚目のシングルで資生堂のCMソングだった「憂、燦々」のMVにも展開された。
『自分の事ばかりで情けなくなるよ』はU-NEXTで配信中。

2015 映画『私たちのハァハァ』、MV「わすれもの」

『私たちのハァハァ』予告編

クリープハイプ「わすれもの」

6本目となる松居さんの監督作。福岡の女子高生4人が、クリープハイプのライブを見るために自転車で東京を目指す青春映画。シンガーソングライターの井上苑子、『ちょっと思い出しただけ』にも出演している大関れいか、真山朔、三浦透子が主演。尾崎さんはクリープハイプのフロントマンとしてクライマックスのシーンなどに出演し、池松さんは、4人の少女が旅の途上で出会うダメな大人役を引き受けている。本作は松居さんに第7回TAMA映画賞の最優秀新進監督賞をもたらし、ほか国内の映画祭や賞で高く評価された。また、主題歌のクリープハイプ「わすれもの」のMVも、本作の女性キャスト4名が出演して松居さんが監督。
『私たちのハァハァ』はU-NEXTで配信中。

2018 映画『君が君で君だ』

『君が君で君だ』予告編

松居さんが原作、脚本、監督を手がけた。思いを寄せる「姫」のため、3人の男が10年間、それぞれ彼女が憧れている尾崎豊、ブラッド・ピット、坂本龍馬になりきって、彼女中心の生活を送っていたがーーという筋書き。男たちのまっすぐすぎる愛の顛末を描く。池松さんは「尾崎豊」を演じて、歌い、踊り、叫び、転げまわる熱量高い表現を見せている。本作に尾崎世界観さんが寄せたコメントが白眉。
U-NEXTで配信中。

2021 MV「ナイトオンザプラネット」

クリープハイプ「ナイトオンザプラネット」

『ちょっと思い出しただけ』にインスピレーションを与え、本作の主題歌となったクリープハイプの楽曲「ナイトオンザプラネット」のMVを松居さんが監督し、映画と響き合う内容で完成した。葉(伊藤沙莉)の運転するタクシーに乗った尾崎さんがバンドメンバーのもとに辿りつき、歌う間に空が白んでいく。それを見つめていた葉が、意を決して尾崎さんに近づき何を伝えるか、最後まで楽しみに見てみて。メロウな楽曲の心地よさも相まって、何度も繰り返し見たいMVに。

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