
バーバラ・モーガン《ピュアなエネルギーと神経過敏な人》1941年 ゼラチン・シルバー・プリント 東京都写真美術館蔵
東京都写真美術館に収蔵されている約3万6千点の膨大な作品の中から、選び抜かれた名品を定期的に紹介する「TOPコレクション」展。現在開催中の「TOPコレクション 光のメディア」展では、Photographの語源である“光で描く”という意味に注目。記録性を超えて生み出される創造性に焦点を当てた、写真の本質に迫る実験的な内容となっている。
本展は、近代写真の父として知られるアルフレッド・スティーグリッツや、写真術発明者のひとりであるウィリアム・ヘンリー・フォックス・タルボット、20世紀初頭の芸術写真発展を牽引したマン・レイなど、29人のアーティストたちによる、資料を含む104点の作品で構成。約100年前に活躍した巨匠の作品から、現在活躍中の田口和奈、糸井潤らをはじめとした現代作家まで、幅広い時代の写真がそろう。写真家のマイナー・ホワイトがアンセル・アダムスやドロシア・ラングらと創刊したアメリカの写真雑誌『Aperture(アパチャー)』の創刊号などの表紙写真も展示され、現在まで刊行が続く歴史ある雑誌の一端を垣間見ることができる。
また、「作品一点一点をみて、自分自身の感覚でイメージを感じ取ってもらいたい」という学芸員の想いから、会場には展示順路を設けていないという。言語による情報を最小限に留めることで、作品そのものと純粋に向き合える自由な鑑賞空間を目指した。
3月19日(土)~4月3日(日)の間、公益財団法人東京都歴史文化財団が行う「Welcome Youth(ウェルカムユース)」の利用で、18歳以下の入館料が無料になるキャンペーンも。この貴重な機会にぜひ足を運んでみて。

アルフレッド・スティーグリッツ《イクィヴァレント》〈20 No.9〉より
1929年 ゼラチン・シルバー・プリント 東京都写真美術館蔵

マイナー・ホワイト《窓枠の白昼夢、ロチェスター、ニューヨーク州》
1958年 ゼラチン・シルバー・プリント東京都写真美術館蔵

バーバラ・モーガン《マーサ・グラハム、世界への手紙、キック》
1940年 ゼラチン・シルバー・プリント 東京都写真美術館蔵

エメット・ゴーウィン《イーディス、チンコーティーグ、 バージニア州》
1967年 ゼラチン・シルバー・プリント 東京都写真美術館蔵
TOPコレクション 光のメディア
会期:開催中~2022年6月5日(日)
場所:東京都写真美術館 2階展示室
東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
時間:10:00~18:00(木・金曜は20:00まで、入館は閉館の 30 分前まで)
休館日:月曜(3/21、5/2は開館)
入館料:一般¥600、¥480、中高生・65歳以上¥300
※3月19日(土)~4月3日(日)は、18歳以下無料。
TEL:03-3280-0099
WEB:www.topmuseum.jp