【From パリ支局】ファッションデザイナーが作る舞台衣装。シャネルからヴェルサーチまで

--文化出版局パリ支局より、イベントや展覧会、ショップなど、パリで日々見つけたものを発信。

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エルヴェ・レジェの創立デザイナー、エルヴェ・L ・ルルー作の衣装。ローラン・プティが振り付けたパリ・オペラ座のバレエの演目で使われた。© Jean Marc Teissonnier


ファッションデザイナーによる舞台衣装に焦点を当てた展覧会「ダンスのクチュリエたち - シャネルからヴェルサーチまで(Couturiers de la danse - De Chanel à Versace)」が、オーベルニュ地方の小さな町ムーランで開かれています。開催場所は舞台芸術の衣装を収集する「国立舞台衣装装置センター(Centre national du costume de scène)」。

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フランス中南部に位置するムーランは、若かりし頃のココ・シャネルが暮らしていた町でもある。© Chieko Hama


フランスの文化として根づくバレエやオペラですが、役目を終えたそれらの衣装は長らく日の目を見ることはありませんでした。ダンボール箱に詰められたまま劇場の倉庫に放置され、時には安く売り払われていましたが、1990年代になってから貴重な創作作品である衣装を保管するべきだと考えられるようになったそうです。そうした中、国家プロジェクトのもと10年の歳月をかけ、パリ・オペラ座やコメディ・フランセーズの衣装を回収する作業が進められました。2006年に設立されたセンターでは、古くは18世紀の衣装から現代のものまで、約10,000点が所蔵されています。

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国立舞台衣装装置センターの保管庫。センターでは回収された衣装の修繕と徹底した管理が行われている。© Chieko Hama


ファッションデザイナーと演出家たちのコラボレーションはおよそ100年の長い歴史があり、シャネルとバレエ・リュス、ジャンニ・ヴェルサーチとモーリス・ベジャール、三宅一生とウィリアム・フォーサイスなどの出会いにより、数々の著名な舞台作品が残されてきました。展覧会ではそうした彼らの功績をたたえて、約120の衣装がテーマごとに紹介されています。なかなか観賞することができない貴重な作品が揃っているので、舞台衣装に興味のあるかたは必見です。

開催期間は2020年11月1日までと、大幅な延長が決まりましたが、移動が難しい時期なので、たくさんの写真をアップしました。Google Art & Cultureでも展示品が高画質で閲覧できるので、こちらも併せてどうぞ!


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テーマ「刷新されるシェイプ」のコーナー。展示されるのはパリ・オペラ座、オランダ国立バレエ、ロンドンのロイヤル・バレエの演目のために製作された衣装で、奇想天外な形の中にそれぞれのデザイナーの特徴が色濃く表れている。« Rythme de Valse » © Jean Marc Teissonnier


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写真上左:丸いシェイプがユニークなウォルター・ヴァン・ベイレンドンクの衣装。« Sous apparence » Opéra national de Paris, 2012 上右:チュチュに大胆なカットを施したヴィクター&ロルフの衣装。« Brahms - Schönberg Quartet » Dutch National Ballet, Amsterdam, 2014 下:ガレス・ピューが衣装と共にデザインしたキュービズムのような靴。« Carbon Life » Royal Ballet, Opéra Royal, Londres, 2012 © CNCS / Florent Giffard


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テーマ「第二の肌」の展示。


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写真上:パリ・オペラ座のダンサー、セバスチャン・ベルトーが振り付けをした「ルネッサンス」より。衣装はバルマンのオリヴィエ・ルスタンが担当。Opéra national de Paris, 2017 © Laurent Philippe 中・下:間近で見るとオートクチュールさながらの豪華な装飾が。« Renaissance » Opéra national de Paris, 2017 © CNCS / Florent Giffard


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ジバンシィ時代のリカルド・ティッシ作の衣装。« Boléro » Opéra national de Paris, 2013 © CNCS / Florent Giffard


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ディオールのマリア・グラツィア・キウリ作。ロマンチックな衣装は彼女自身のコレクションにも登場しそう。« Nuit Blanche » Ballet de l'Opéra de Rome, 2019 © CNCS / Florent Giffard


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テーマ「それほどクラシカルではない」のコーナーで紹介されるカール・ラガーフェルドの衣装。写真左:« Jeunehomme » Création Les Ballets de Monte-Carolo, 1986 右:« Brahms - Schönberg Quartet » Opéra national de Paris, 2016 © CNCS / Florent Giffard


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「マテリアル」で紹介される三宅一生の衣装。ウィリアム・フォーサイスによるフランクフルト・バレエ団の新作「失われた委曲」のために製作された。創意工夫を凝らしプリーツの服を作っていた三宅一生はこれらの衣装を製作したのち、さらに改良を加えて「プリーツ プリーズ イッセイ ミヤケ」をスタートさせたそう。«Loss of small detail» Ballet de Frankfort, 1991 © CNCS / Florent Giffard


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同じく「マテリアル」のコーナーより。イリス・ヴァン・ヘルペンの革新的な衣装。 « Pelléas et Mélisande » Opera Ballet Vlaanderen, Belgique, 2017 © CNCS / Florent Giffard


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写真左:バレエ・リュス・カンパニー創立者、セルジュ・ディアギレフの友人だったココ・シャネルによるジャージを用いた衣装の再現。« Le Train bleu » Opéra national de Paris, 1992 右:エディ・スリマンのコンテンポラリーな衣装。Création Les Ballets de Monte-Carlo, 2004 © CNCS / Florent Giffard


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写真上:巨匠モーリス・ベジャールと親交のあったジャンニ・ヴェルサーチに捧げられた「ファッションのシアター」。二人がコラボレーションした数々の演目の衣装が展示される。© Jean Marc Teissonnier 中左:« Malraux ou la métamorphose des dieux » Création, Bari, Italie, 1986 中右:« Élégie pour elle, L., aile » Création, Bruxelles, Belgique, 1989 下:« Patrice Chéreau (devenu danseur) » Création, Bruxelles, Belgique, 1988 © CNCS / Florent Giffard


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展覧会のポスター。


Centre national du costume de scène 公式サイト:https://www.cncs.fr/

Text:水戸真理子 Mariko Mito(B.P.B. Paris)

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