【From パリ支局】2018-'19秋冬パリコレクション vol.1 進撃する日本のデザイナーたち

―文化出版局パリ支局より、イベントや展覧会、ショップなどパリで日々見つけたものを発信。

2月26日から3月6日まで、2018-'19秋冬パリコレクションが開催された。公式スケジュールでのショーとプレゼンテーションを合わせると、参加したブランドは100以上。期間中は、氷点下の日が続く寒波に見舞われたが、会場を沸かせた数々のクリエイションにファッションのエネルギーを再確認できたシーズンでもあった。本連載では、期待のニュージェネレーションから圧巻のラグジュアリーブランドまで、今季必見のコレクションを紹介する。


【vol.1 進撃する日本のデザイナーたち】
イッセイミヤケ、コム デ ギャルソン、ヨウジヤマモトなど、パリコレクションの常連を筆頭に、世界で大いに活躍するジャパンブランド。今や日本は、外国勢の中で最も多くのブランドを公式スケジュールに送り出している国だが、彼らがファッションウィークに欠かせない存在とされる理由はその数ではなく、高いクリエイション力にある。

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MAME KUROGOUCHI 2018-'19秋冬コレクションより。


ノワール ケイ ニノミヤ / NOIR KEI NINOMIYA
今シーズン、本格的なショーデビューを飾ったコム デ ギャルソンの「ノワール ケイ ニノミヤ」は、会場を最も震撼させたブランドのひとつだった。

ブランドの設立は2012年。デザイナーの二宮啓(にのみや・けい)は、ネームにも使われるノワール(フランス語で黒の意味)を基調としたコレクションを作り続け、数年前からヴァンドーム広場の自社ショールームでミニショーを行っていた。彼の特異性を表すのは、スタッズや紐などを用い"縫い"以外のテクニックでパーツを繋げた服。今回はそうしたピースに加え、ローゲージニットのクリノリン風ドレスやライダースのアレンジなど、強いオリジナリティとインパクトを持つ作品が披露された。

また、シルエットの仕上げに使われたのは、フラワーアーティストの東信(あずま・まこと)が手がけた生花のマスクやヘッドドレス。ラストには巨大なブーケを思わせるアートピースのようなドレスが登場し、観客から大きな拍手が送られた。

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マメ / MAME KUROGOUCHI
第一回「ファッション プライズ オブ トーキョー(FASHION PRIZE OF TOKYO)」で受賞したデザイナーの黒河内真衣子(くろごうち・まいこ)は、「マメ」のプレゼンテーションを開催。黒河内は2014年からパリで展示会を行うが、公式スケジュールでの発表は初となった。

会場となったのはパリ社交界で知られた伯爵夫人、モナ・ビスマルクの館。コレクションは繊細なフラワーモチーフのコートやフリンジ装飾のニットドレスなど、細部へのこだわりを見せるフェミニンなシルエットが揃い、異素材を組み合わせたビッグブルゾンなど、マニッシュなアイテムも新鮮。アイコニックな透明バッグや刺繍を施したブーツも印象的で、モダニティの中にクラフトマンシップの温もりを感じさせた。

「ファッション プライズ オブ トーキョー」は、東京都と繊維ファッション産学協議会が主催するファッションデザイナーの支援企画。インターナショナルなブランドを目指すべく、選出された東京のデザイナーは、パリ・ファッションウィーク中のショーとショールーム開催のために助成金を2シーズン続けて受けることができる。
Fashion Prize of Tokyo 公式ホームページ fashion-prize-of-tokyo.jp

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ビューティフルピープル / BEAUTIFUL PEOPLE
2007年春夏コレクションでデビューし、東京を拠点に活動する「ビューティフルピープル」は、昨年3月にパリコレクションに進出。過去2シーズンのプレゼンテーションで好評を博し、満を持してのショー開催となった。

期待が寄せられる中、デザイナーの熊切秀典(くまきり・ひでのり)が披露したのはバイアスカットの妙技。一見シンプルなタブリエ風ドレスも、メンズライクなダブルのコートも、バイアスに裁断することで体にフィットし、女性らしいラインを生んでいる。マスキュリンなテーラー生地や厚みのあるブランケットもソフトな印象に変化させ、多くのシルエットに合わされたマキシ丈のプリーツスカートが豊かな表情を放っていた。また進化した新スタンダードの提案である。

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シクラス / CYCLAS
デザイナーの小野瀬慶子(おのせ・けいこ)は、ユナイテッドアローズのウィメンズ・ファッションディレクターを経て、自身のセレクトショップ「ザ シークレットクロゼット(The SECRETCLOSET)」を2007年にオープン。彼女が手がけるオリジナルブランド「シクラス」は、2016年1月に参加したパリの展示会で、海外のバイヤーから注目される存在となった。その後もファッションウィークでプレゼンテーションを重ね、今回は初の公式スケジュールでの発表に。

ファッション界での長年の経験をもとに、提案されるは、パーソナルであること、クリエイティブであること、ラグジュアリーであることにこだわった、現代を自由に生きる大人の女性のためのコレクション。今シーズンは「Less is more」をテーマに、カーブのラインやディテールで遊んだミニマルなシルエットが並び、見るからに上質な素材、快適さを伺わせる洗練されたデザインの中に、引き算の美学が込められていた。

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Text : B.P.B. Paris

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