コンテストの潮流が変わる? 「2019Tokyo新人デザイナーファッション大賞」アマチュア部門で、そぎ落とした美しさを表現したエスモードジャパンの田村奈々さんが大賞受賞!

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世界9か国から、延べ5829点のデザイン画が集まった「2019Tokyo新人デザイナーファッション大賞」アマチュア部門。一次審査を通過した24名の学生が実際に作品を制作、その最終審査結果が10月16日に渋谷ヒカリエにて発表された。

大賞を受賞したのは、エスモードジャパン3年の田村奈々さん。これまで服としての概念を軸にデザインしてきた田村さんだが、今回初めて自分の思いを自由に表現してみようと、個人で初めてコンテストに応募。そこで本当に作りたいものに向き合った結果が、女性の体はそのままで美しい、という答えだった。一般的に装飾の多いデザインの服は何かを隠し、騙しながら可愛く見せる目的があるのでは。そこでタイトルを「女性のための女性服」とし、敢えて身体の歪みやズレに焦点を当てて、女性の身体の美しさをドレスで表現した。

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「華美な装飾はもちろん、布が体に綺麗に沿うことを邪魔するものはそぎ落としました。なにも付け加えないことは不可能ですが、"手を加えないように手を加える"作業でした。正直、こうした作品が選ばれると思っていませんでしたが、受賞できたことはとても嬉しいです。来春に卒業しますが、9月にはフランスに行く予定で、これからはそのために語学学校に通います。まずはフランスでスタージュ(インターンシップ)をして、一度大きなメゾンに入って勉強して、いつかは自分のブランドを立ち上げたい」と目標と語ってくれた。

本人が「こうした作品が選ばれるとは思っていなかった」語っていたのは、これまで長い間、多くのコンテストで造形的要素の強い作品が賞を取ることが多かったから。もちろん、そうした作品が主流であった時代もあるが、近年は各コンテストの審査員も、シンプルで美しいものを選びたい気持ちはあった。だが、デザイン画の時点で、インパクトが強いものを選びがちである点や、シンプルながらオリジナリティのあるデザイン画が少なかったことも事実。そうした中、審査のための作品ではなく自らの気持ちを素直に提案・表現してくれた田村さんの提案に対して審査を務めた5名も、作品のインパクト云々に関わらず、ファッションデザイナーになってほしい人を選ぶことができたと語っていた。ちなみに今回審査員を務めたのは 高島一精(Né-net デザイナー)、中章(NAKA AKIRAクリエイティブディレクター)、江角泰俊(EZMIデザイナー)、青木規子(繊研新聞 記者)、児島幹規(装苑編集長)の5名。

現在、日本国内で行われる学生向けのデザインコンテストが年々減りつつあるのは残念だが、応募することで自分の感性と向き合い、他人の作品に刺激され、評価されることで本人の可能性・将来につながることを体感できるのは、参加した人だけの特権! 今後のコンテストでも、田村さんのように、自らが美しいと感じたものを、そのままぶつけてきてくれる学生が今以上に増えることを期待したい。


※以下、優秀賞(1名)と秀作賞(5名)に選ばれた作品と受賞者

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優秀賞 Yan-Wei Tseng (Shih Chien University, Taiwan)
「The anonymous HEROS」

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秀作賞 Chia-Han Hsieh(Shih Chien University, Taiwan).
「We r flower in green house, We r baby in city jungle」

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秀作賞 Seungmin Yu(Kookmin University, South Korea).
「Ridiculous belief」

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秀作賞 梅原 理央磨(大阪モード学園)
「Expressionism」


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秀作賞 山田 琢也(名古屋モード学園)
「MARIONNETTE」


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秀作賞 Yachin Lee (Shih Chien University, Taiwan)
「visual illusion」

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