「tiit tokyo」 2019 S/S TOKYO COLLECTION レトロフューチャーの前向きな精神性をとらえた、心地よい服

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「レトロフューチャー」とは、過去に人々が夢見た未来志向のファッションやカルチャーのこと。ファッションでいえば、1960~'70年代にピエール・カルダンやパコ・ラバンヌ、アンドレ・クレージュが作り出したスタイルが代表的だ。tiit tokyoが2019年春夏に打ち出したのは、「現代のレトロフューチャー」。まだショーが始まる前、床面を埋め尽くす架空の映画ポスター(これはオリジナルの柄で、スカーフのテキスタイルとなって現われる)を見て想像した服から、実際にランウェーに登場した服には、良い裏切りの落差があった。ファーストルックは、ホワイトのキャミソールワンピース。左右非対称のデザインと、ドローコードによるシャーリングが布に豊かな表情を与えている。そして、タイトなトップと対をなすワイドパンツやドレッシーなレース、サマーニットとツイードの組合せなどへと続いていく。ミニ丈で直線的という、いわゆる60S的なフューチャリスティック・スタイルとは異なるアプローチの、フェミニンなリラックスウェアだ。

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ナチュラルな素材やテクスチャーが大多数を占める中、印象深かったのは、ヴィヴィッドな色で表現されたシャープなチェック柄。プリーツスカートにはわずかに光沢があり、そこにフューチャリスティック要素が見て取れる。これは、資材用の糸を用いたポリエステルに、捺染プリントしたオリジナルだ。また、こちらもオリジナルの映画ポスタープリントは大判のスカーフとなって、シンプルなスタイリングに遊び心を加えていた。遊び心といえば、ワッペンをプラスしたクラシカルなツイードジャケットや、軽やかにリボンが揺れるニットも見逃せないだろう。ワードローブに自然に取り入れることができ、かつ、いつものスタイリングをアップグレードさせるアイテム作りのバランスの良さが際立っていた。

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デザイナーの一人である岩田 翔は、フューチャリスティックという表現の中に「ポジティブに前に進んでいくエネルギー」を見、それを今回のコレクションに込めたと言う。「1960年代、'70年代から見た憧れの未来には、郷愁も自由も娯楽もあると感じます。それを現代解釈で表現したいと思いました。旅のテーマもあったので、ゆったりした雰囲気やナチュラルな素材感に、往年のレトロフューチャーの要素をプラスしています」。過去のスタイルを分かりやすく参照するのではなく、そのスタイルの精神性をインスピレーションに、異なる要素をミックスして現代の新たな衣服を生み出す。これからのデザイナーのアティチュードとしても、心強いコレクションだった。


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ブランド:tiit tokyo / ティート トウキョウ
デザイナー:Sho Iwata ・ Hiroshi Takizawa / 岩田翔・滝澤裕史

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tiit-tokyo.com

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