2019年3月27日(水)〜4月3日(水)まで上海ファッションウィーク2019AWが開催された。会期中、メイン会場でのランウェイショーのほか、複数のプラットフォームでイベントや展示、ショールームも実施。会期中に見た5つのプラットフォームを順番にご紹介。
【TUBE Showroom】
2015年から上海ファッションウィークの公認ショールームとして、motoguoやSHUSHU/TONG、STAFFONLYなどの中国の若手ブランドをメインで扱う。ここ数年、ファッションウィークの前夜祭としてオープニングイベントを開催している。今季は、上海の川沿いにあるホテルの部屋を貸し切り、各ブランドが発表。来場者は4階建てのホテルの各部屋を好きな順序で周り、デザイナーとの交流を楽しんだ。
motoguo / モトゴー
〜ハンドメイドで上質なアイテムを〜
今季のテーマは「Feast or Famine(ごちそうか飢餓か)」。それは、ブランドがサポート先を探していた去年一年間を振り返りかえってのメッセージでもある。ブランドを継続していくため、デザイナーをふくむ全員であらためてmotoguoの今後を探るコレクションとなった。
オープニングイベントでは、ホテルの一室にモデル4名を配置し、時間ごとに服を着せ替えることで来場者に多くのルックを見せた。虎やひまわりなど主張の強いマテリアルもモトゴーたちのテラーリングにかかれば上質なスーツやパンツへと姿を変える。引き続き、ハンドメイドを大事にするブランドの真髄が随所に見られた。
photo by Hitomi Oyama
デザイナー モト、キンダー
extra one / エクストラ ワン
〜人間に監視される擬人化したバッグたち〜
2017年に設立したバッグブランド。北京服飾学院と上海ビジュアルアート学院を卒業した李尚倫と厳威のユニットでデザインをしている。
ホテルの一室を監視室に見立て、中国のアーティスト、林科(リン・コー)とのコラボ作品を発表した。擬人化したエクストラ ワンのバッグたちが、ホテルの各部屋で過ごしているという程で制作された映像がモニターに流れる。鏡を覗き込んでいたり、トイレに入ったり、人間がホテルの一室で過ごすときと同じ行為をバッグたちが行っている。その様子を我々人間が監視するという不思議な体験。また、ホテルの部屋の壁には、今季のインスピレーションを可視化した写真が貼られていた。
デザイナー 李尚倫(リー・シャンルン)、厳威(イエン・ウェイ)
text: Hitomi Oyama