text by Hitomi Oyama
2019年10月9日からスタートした上海ファッションウィーク。今季は若手の活躍が特に目立ったプラットフォームから、これから目が離せない、要注目のブランドを紹介していきます!
Staffonly / スタッフオンリー
〜水を得た魚のように レザーカットの柄で男性に彩りを〜
ロンドン・カレッジ・オブ・アートの修士課程を修了した温雅(ウェン・ヤー)と、ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションの修士課程を修了した周師墨(チョウ・シーモウ)が2015年に設立したブランド、STAFFONLY。2017/18のインターナショナル・ウールマーク・プライズ アジア地区大会にノミネート。2018年ロンドンファッションウィークでランウェイショーを開催。今年、オニツカタイガーとのコラボ商品を発表したことでも話題をよんだ。
デザイナーの二人は、男性像が変化する現代、依然として過度な期待がかけられる男性たちの役割に「?」を投げかけた。パフォーマンス形式でコレクションを発表するのが得意なスタッフオンリー。薄暗い会場は、キッチン、リビング、勉強部屋など、いくつかの生活の場に区切られ、それぞれに男性モデルを配置。モデルたちは一切動かない。二人の音楽家が、リズミカルな手拍子をしながらそれぞれの空間の前を通ると、その場にいるモデルたちは目を覚ましたかのように自由に動き回る。掃除を始める男、ゴルフをする男、ハイになって飛び回る男など、水を得た魚のように開放感を得て動きだす。
男性像に対する既成概念を崩すこの見せ方は、子供の頃に見た童話を思い出した。夜になると動きだすオモチャと男性が重なる。見られていないところで、実は自由を求めているという男性の内面の声を聞いた気がした。
レザーカットで制作されたカラフルな柄をふんだんに使用。マテリアルでも新たな試みを続ける。
looks by JIACHENG
mood by QIUMING CHENG(KUJI Studio)
photo by Hitomi Oyama

photo by Hitomi Oyama