【From パリ支局】イエール、アクセサリー部門のグランプリはゴミから生まれた帽子

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若手デザイナーの登竜門として知られるイエール国際フェスティバルでは、2017年からファッションアクセサリー部門のコンペティションがスタートした。

グランプリ受賞者は、スポンサーのシャネルが傘下に収める熟練職人のアトリエとコラボレートし、最大2万ユーロ(約250万円)の技術提供を受けるという魅力的なプロジェクトを手にすることになる。

さらに、今年からはエルメスのスポンサーシップによる「エルメス・ファッションアクセサリー・プライズ(THE HERMÈS FASHION ACCESSORIES PRIZE)」が新設された。これはファイナリスト10組がそれぞれ革を使ったアクセサリー1点をデザインし、エルメスの職人が作るというもので、受賞者には賞金2万ユーロが贈られる。

そして今回、これら二つの賞をフランス南西部の小さな町で活動するデザイナーデュオ、ディデューとジュアナ・エチュベリー(Ddiddue & Juana Etcheberry)の兄妹がダブルで獲得した。出品作はゴミから作られた帽子のコレクションである。

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受賞作品。タイトルは「リインカネーション(転生)」。一つ一つが手作りで、ステッチをきかせながらコンテンポラリーな帽子に仕上げられている。©︎Chieko Hama


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「エルメス・ファッションアクセサリー・プライズ」に輝いたブレスレット。腕に当たる部分がレザーで固定されるデザインで、つけ心地への配慮も。©︎Chieko Hama


彼らは地元にあるゴミの処分場から廃棄されたフラワーポットやバケツなどを回収して、洗浄し、材料として使う。企業から提供される不要となったパラシュートなども材料の一つだ。

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ディデュー(右)とジュアナ・エチュベリー。「住んでいる地域の環境が違っていたら、このプロジェクトを始めていなかったでしょうね。僕たちの構想は、このゴミから生まれた帽子を身につけることが人々の誇りになることです」©︎Chieko Hama


ファッションアクセサリー部門の審査委員長で、刺繍工房「ルサージュ」のアーティスティックディレクターを務めるユベール・バレール氏は「僕たちは彼らの大胆なクリエーションが大好きで、マーケットの現実に対する意識の高さに驚かされました。地元で製造しながら環境保護にリアルにコミットし、そこで経済構造を作り出しています」と、二人を称えた。

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彼らが材料を回収するのは地元のゴミ山。


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廃棄されたフラワーポットも帽子の材料に。


現在、帽子ブランド「OWANTSHOOZI」を展開する彼らが、このプロジェクトを立ち上げたのは約2年前。廃棄物が製品に生まれ変わるまでを記録したビデオでは、製作に打ち込む二人の様子を見ることができる。©︎Art cream


International Festival of Fashion, Photography and Fashion Accessories in Hyères
イエール国際フェスティバル 公式サイト:
https://villanoailles-hyeres.com
*2021年度コンペティションの応募受付中!詳しくは公式サイトで。

OWANTSHOOZI 公式サイト:
https://www.owantshoozi.com


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Text:Mariko Mito(B.P.B. Paris)

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