希代の歌姫ダリダの衣装展、ガリエラ衣装美術館で開催中 From Paris

フランスではいまだに絶大な人気を誇る歌手にして女優、ダリダの衣装展がガリエラ衣装美術館で開催されている。キュレーションは館長で服飾史家のオリヴィエ・サイヤール。
ダリダはイタリア系移民としてエジプトで生まれ、ミス・エジプトに選出された後、芸能活動を開始。1956年には歌手、女優としてフランスでもデビューした。今回の展覧会では'50年代末から、失恋によって悲劇的な死を迎える'80年代までの衣装を展示。各年代の特徴が如実に反映されていて興味深い。
'50年代の衣装はウエストを細く絞り、ペチコートを入れてスカートを膨らませた典型的なスタイルが多く、ピエール・バルマンを中心にピエール・カルダンやニナ・リッチ、ジャック・ドゥセなどのクチュリエ作品が並ぶ。'70年代になると、イヴ・サンローランやロリス・アザロによるドレスやスーツが多くなり、プレタポルテが主流となる'80年代は、オリジナリティを追求してか、衣装デザイナーの一点物が多く見られるようになるのが特徴。'80年代半ばのジトロワによるレザー作品4点は、展示作品の流れと趣を異にするが、モナコのステファニー王女がジトロワ作品を買い占めて話題になった当時、ダリダもそのブームに巻き込まれていたことを物語っている。
ダリダの軌跡を追いながら、同時にファッションの変遷も感じとれる内容で、スターの生きた各時代を映す展示となっている。


paris170721.jpg

往時の映像と衣装。手前のグリーンのドレスはガブリエル・マイエールによるもので、1961年の映画『Parlez-moi d'amour』で着用。


paris2170721.jpg

左 まさに'50年代のシルエット。ジャック・エストレルによるワンピース。1959年。
右 イヴ・サンローラン リヴ・ゴーシュによるエキゾティックなセットアップ。1976年。


paris3170721.jpg

衣装デザイナーのミッシェル・フレネによるボディスと豪華なケープのセットアップ。1980年。


paris4170721.jpg

'80年代にファッション業界を席巻したジトロワによるレザー作品。


「Dalida, une garde-robe de la ville à la scène」
期間:〜2017年8月13日(日)
場所:パリ市立ガリエラ衣装美術館
   10, avenue Pierre Ier de Serbie 75116 Paris
時間:10:00~18:00(木曜~21:00) 月曜・祝日休
TEL:01 56 52 86 00


『装苑』2017年8月号掲載
text&photpgraphs : Tomoaki Shimizu
清水友顕●パリ在住。ステューディオ・ベルソー卒業後、
いくつかのブランドでの研修を経て、主にファッションを扱うジャーナリストに。
ライフワークは週末の蚤の市・古物市めぐり。レコードと古いぬいぐるみ集めが趣味。


MAGAZINE

『装苑』2018年1月号、11月28日発売

calendar

-event -promotion -exhibition

Page Top