ミラノ・デビューを果たした、サルバムの挑戦 From Milan

6月18日、"サルバム"の2018年春夏コレクションショーがミラノで開催された。ミラノのファッションウィークを主催するイタリア・ファッション連盟から、メンズの「ミラノ・モーダ・ウオモ」の公式招待デザイナーとして藤田哲平が招聘された。

ショー会場は、19世紀末に建てられた鉄道車輛の工場をカルチャースペースに改修した「ファブリカ・デル・ヴァポーレ」。レンガの壁に囲まれた天井の高いオープンスペースで、とてもミラノらしい空間だ。ショー会場の座席には「今、この地に立つことができたことを大変うれしく思います。心からの感謝とともに、この8分間をささげます」というメッセージが。

その8分間のショーでは、テーラーメイドや上質感には一家言あるミラネーゼを「こう来たか!」とうならせる、軽快なコレクションが披露された。きちんと仕立てたジャケットなのに、裾は縫わずに、歩くたびに表地と裏地がひらひらと揺れる。ワイドなパンツも裾は切りっぱなしで、スリットから裏地がのぞく。イタリア現地のファッションジャーナリスト、アンジェロ・フラッカヴェントは「コンテンポラリーで荒々しいエッジィさに、精密なテーラーメイドがマッチしている点がとてもおもしろく、評価できる」とお気に入りの様子。

「毎回具体的なテーマは設けず、その時の自分の感情で作っている」というデザイナーの藤田哲平。「毎シーズン訪れているヨーロッパでは、テロなど何が起こるかわからない時代。そんな背景から、逆に軽やかな服を作った」という。今までのコレクションの中でも、最も色味や素材も軽くし「こんな時だからこそ軽快にポジティブに生きたい」との思いを込めた。また今回のショーでは開催地ミラノも意識した。「ミラノのトラッドということではなく、単純に夏の天気のいいミラノの空気をイメージした」という。その言葉のとおり、明るく爽快な印象が際立つショーだった。


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ミラノのメンズファッションウィーク「ミラノ・モーダ・ウオモ」にデビューした"サルバム"の2018年春夏コレクションショーより。メンズとレディスが同時に発表された。


『装苑』2017年9月号掲載
text : Megumi Takahashi
高橋 恵●ミラノ在住ジャーナリスト。
日本とイタリアの新聞・雑誌にファッションとライフスタイルに関する記事を寄稿。
イタリア国立ジャーナリスト協会会員。繊研新聞ミラノ通信員。

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