GFW!LCF!そしてRCA!卒コレシーズン到来 From London

5月から6月にかけては、イギリスの高等教育機関の卒業コレクションの時期だ。今年の卒コレサーキットの先陣を切ったのはウェストミンスター大学。かつては"バーバリー"のクリエイティブディレクターであるクリストファー・ベイリーを、最近ではアシュリー・ウィリアムズやリアム・ホッジスなど、ロンドン・ファッション・ウィークで活躍するデザイナーを輩出する注目校。現在は'90年代に一世を風靡したデザイナーのアンドリュー・グローブスが、ファッションデザインコースのディレクターを務めている。

グラデュエート・ファッション・ウィーク(GFW)には、今年は4日間で36校が参加。そのうち20校がランウェイで卒業作品を発表したが、その中でも以前から気になっていた学校がスコットランドの地方校、エディンバラ大学。コレクションを発表するのはいつも10人程度だが、おのおのがまったく違うクリエイションを見せる、キャラクターの立った少数精鋭校であり、今年はなんとメンズ大賞以外のデザイン部門の各賞を総なめにしたのだ。

各大賞が発表されるガラショーと同じ日に世界の優秀な学生による「インターナショナル・キャットウォーク・コンペティション」が行なわれ、日本からも文化学園大学の良宇さんとマロニエファッションデザイン専門学校の磯道実里さんが出場した。GFW期間中には会場から徒歩3分のオールド・スピタルフィールズ・マーケットでロンドン・カレッジ・オブ・ファッション(LCF)のショーも開催。今回も洋服のデザインを発表するだけでなく、アクセサリーやシューズ、下着といった他部門と一緒にグループショー形式で披露。現在、ファッション教育に携わっているのが'90年代のコンセプチュアルファッションの経験者が多いためか、LCFも強いコンセプト、ダークさやフェティッシュ感が印象に残った。

そして卒業コレクションのフィナーレを飾ったのは名門ロイヤル・カレッジ・オブ・アート(RCA)。大学院大学だけありクリエイションのレベルの高さは段違い。イスラム教の礼拝風ウェアから始まり、編み機が絡まったニットウェア、そして現実的なメンズウェアの後、フォーチュンクッキーの雨あられ、クリエイションのレパートリーの広さ、エンターテインメント性を披露。最後は圧倒的なパーティムードで卒コレシーズンを締めくくった!


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第91回装苑賞でアジアン・クチュール・フェデレーション賞を受賞した良宇さんは、レザーにレーザーカッティングによる3D装飾を施した。


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左 GFWのグランプリ、エジンバラ大学のハリナ・ノースさんと紙布を使ったペーパードールのような作品。
右 RCAのショーの日は総選挙。アンチ・ブレクジットの政治的なメッセージを発信した学生も。


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左"カワイイ"カルチャーを取り入れていたLCFの卒業作品。
右 ボンデージ&マスクでフェティッシュに仕上げたLCF作品。


『装苑』2017年9月号掲載
text : Yu Masui
益井 祐 ● 静岡県生れ。ロンドンの「the pineal eye」で
バイヤーとしてキャリアをスタートし、以降、日本やロンドンで活躍する。
その知識と人脈を生かし、現在はフリーのライターとして活躍。

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『装苑』2017年10月号、8月28日発売

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