【From パリ支局】2020-'21AWパリコレクションのトピックス - vol.1 ウイルスの影響も

--文化出版局パリ支局より、イベントや展覧会、ショップなど、パリで日々見つけたものを発信。

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2020-'21年秋冬パリコレクションより。
左から、ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)、ヴァレンティノ(VALENTINO)、ロエベ(LOEWE)。


2020-'21年秋冬パリコレクションが2月24日から3月3日まで開催された。ショーとプレゼンテーションを合わせると100近いブランドが新作を発表。例年に比べ数に大差はないが、新型コロナウイルスの感染がイタリアを中心にヨーロッパで広がり始めた時期と重なり、日に日に緊迫する状況を肌で感じることになった。

直前のミラノコレクションでは、大御所のジョルジオ アルマーニが観客なしのショーを決行し、協会は最終日を打ち切り1日早く閉幕。その頃、パリでは中国系のデザイナーたちが参加を取りやめ、一部のジャーナリストやブランド関係者が渡航を控えるなどの動きが伝えられていた。

このような情勢から、今まで覚えたことのないある種の緊張感の中、初日を迎えることに。いざ始まってみると別段変わったことがあったわけではないが、周囲で聞かれたフランス人たちの「ビズ(挨拶のキス)はやめておこう」という会話に不安が表れていた。期間中には、ゲストやスタッフへの配慮から会場でマスクを配るブランドもあり、アニエスベーとA.P.C.が予定されていたショーを中止。国内の感染者増加のニュースと共にマスクをする人が目立ち始め、滞在を切り上げ帰国するバイヤーなどもいた。

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ドリス ヴァン ノッテンのショー会場でもマスクを配布。入り口には消毒ジェルも。


日程半ばの2月29日、フランス政府は5,000人以上の集会を禁止するとしたが、大規模なショーでもこれを超えることはなく、結果的にコレクションは最終日まで淡々と遂行されたという印象である。その後、3月9日の省令で集会禁止が1,000人以上とより厳しくなり、エルメス主催の馬術大会「ソー・エルメス」やオペラ座の公演をはじめ、食、アート、美容関連と、立て続けにイベントの中止または延期を知らされることとなった。ファッションウィークも時期が少し遅かったら、より深刻な影響を受けていただろう。

フランスにとって、多大な経済効果を生むパリコレクションは重要な年間行事だが、昨年から「黄色いベスト運動」や50日近くにおよんだゼネストに翻弄されてきた節がある。やっと落ち着きを取り戻した矢先にやってきた今回のウイルス。サステイナブルへの意識の高まりに加え、衛生面におけるプロテクションも今後の動向に影響を与えそうだ。

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デビュー当時からサステイナブルを推進するマリーン セル(MARINE SERRE)の2020-'21年秋冬コレクション。
©Etienne Tordoir


Text: 水戸真理子 Mariko Mito(B.P.B. Paris)


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