【From パリ支局】やっぱり見逃せない!パリ・メンズコレクション 2019SS

―文化出版局パリ支局より、イベントや展覧会、ショップなど、パリで日々見つけたものを発信。

homme2019ss_201883.jpg

2019SS パリ・メンズコレクションより。
左から「ディオール」、「ドリス ヴァン ノッテン」、「ラフ シモンズ」。


2019年春夏パリ・メンズコレクションが6月19日から24日まで開催された。毎シーズン、先陣を切って発表されるメンズは、その後に続くレディスコレクションのトレンドを読み解く鍵にもなる。男性のワードローブといえば、ひと昔前までトレンドの変化が少なく、バリエーションも今のようにはなかった。だが、ジェンダーレスがモードの大きな流れの一つになり、男女の壁のないブランドが多数存在する昨今、メンズにおいても自由で個性溢れるクリエイションがますます増えているのである。

例えば、夏の定番といえるシースルー素材は多くのブランドで取り入れられていたが、エレガントなブラウスやスポーティなTシャツ、ジャケットのパーツにと、使用法は様々。ニュートラルカラーのシックなレイヤードがある一方で、ビビッドカラーの組合せが目を引き、華やかなフラワーモチーフやグラフィカルなパターンも多種多様に展開された。ゆったりとしたジャケットやパンツ、プロポーションで遊んだスーツ、アウターやニットのシーズンレスなアイテムも豊富だ。

さて、参加メンバーにおいても話題の絶えないシーズンだった。大きな注目を集めたのは、メンズ アーティスティック ディレクターにキム・ジョーンズを迎えた「ディオール」と、ヴァージル・アブローによる初ショーを披露した「ルイ・ヴィトン」である。いずれもメゾンのDNAを汲むエレガントなコレクションだが、現代性に富むストリートの要素を含んでいる。

Dior_men_SS19_look-1_2018731.jpgDior_men_SS19_look-10_2018731.jpgDior_men_SS19_look-36_2018731.jpg

オートクチュールとスポーツウェアのコードを巧みに調和させた「ディオール」のコレクション。ムシュ ディオールが愛用していたティーセットの花模様がモダンにアレンジされてプリントや刺繍のモチーフになっている。©Dior


メンズの公式スケジュールで初参加した「アンダーカバー」も注目株の一つ。デザイナーの高橋盾は、これまでパリでウィメンズを発表していたが、3月のショーを最後に今後はメンズで参加することを自身のSNSで表明していた。期待が高まる中、発表されたのは"THE NEW WARRIORS"をテーマにしたコレクション。登場したのは「THE DEAD HERMITS」「VLADS」「BLOODY GREEKERS」など、8つのグループに分けられた戦士たちで、ヒッピー風、吸血鬼風、おたく風など、全く異なるスタイルを打ち出すユニークなショーとなった。

15_Undercover_SS19_Look_2018731.jpg21_Undercover_SS19_Look_2018731.jpg48_Undercover_SS19_Look_2018731.jpgundercover_2018731.jpg

パレ・ド・トーキョーの大ホールで開催された「アンダーカバー」のショー。各グループを象徴するグラフィカルなロゴプリントがダイナミックに取り入れられ、フィナーレにはロゴ入りの旗を持って全チームが行進した。


2年半ぶりにパリに戻った「ラフ シモンズ」もファッションウィークを盛り上げたブランドである。ショーはパリ郊外の倉庫で行われ、パンクとグラムロックのエレメントをミックスさせつつ、コレクションは全く新しい世界観に包まれていた。

raf simons0004_2018731.jpgraf simons0022_2018731.jpgraf simons0024_2018731.jpgraf_2018731.jpg

会場内に数体のマネキン人形が吊るされた「ラフ シモンズ」のショー。色とりどりのサテンのコートは最も印象深かったアイテムの一つで、ワイドショルダーの絶妙なプロポーションに加え、スタッズを全体に装飾したものもある。パンキッシュな若者を写したモノクロプリントも独創的。


メンズ、レディス共に高いクリエイション力に定評がある「ドリス ヴァン ノッテン」もまた絶大な人気を集めるブランドである。今回は、デンマークの建築家ヴェルナー・パントンの作品がリワークされ、鮮烈なカラーとオプティカルなプリントを見せる力強いコレクションとなった。リラックス感のあるテーラリングやスポーツのエッセンスを取り入れたシルエットも印象的だ。

dries_2018731_1.jpgdries_2018731_2.jpgdries_2018731_3.jpg

インパクトあるプリントに溢れたコレション。1986年の創設以来、インディペンデントを貫いてきた「ドリス ヴァン ノッテン」は、ショーの数日前にプーチグループとのパートナーシップを発表。これによりプーチは主要株主となったが、ドリス・ヴァン・ノッテンはチーフ・クリエイティヴ・オフィサー兼取締役会会長に就任し、継続してブランドを率いていく。


好評を博したブランドでは、日本の「イッセイ ミヤケ メン」が挙げられる。太陽の光と影がインスピレーションソースになった今回のテーマは"Sun everywhere"。 デザイナーの高橋悠介は、いつでもどこでも仕事ができる現代のライフスタイルに合わせ、上品でカジュアルなシャツスタイルに改めて取り組んだそう。ろうけつ染めや絞り染めなど、職人の手仕事を取り入れた天然素材の染色シリーズもあり、伝統的な和の風合いを生かしつつコンテンポラリーなワードローブに仕上げられている。

issey01_2018731.jpgissey019_2018731.jpgissey022_2018731.jpgissey_2018731.jpg

凝った素材とディテールの遊びを見せるシャツがバラエティ豊かに展開された「イッセイ ミヤケ メン」のショー。フィナーレにはモデル全員がシャツ姿で登場した。


Text: B.P.B. Paris


MAGAZINE

『装苑』2018年9月号、7月27日発売!

calendar

-event -promotion -exhibition

Page Top