―文化出版局パリ支局より、イベントや展覧会、ショップなど、パリで日々見つけたものを発信。
90か国以上から約1300人が応募した第5回LVMHプライズの頂点に輝いたのは井野将之の「ダブレット(DOUBLET)」。昨年、日本人初の入賞を果たした赤坂公三郎に続く快挙となった。
プレゼンターのエマ・ストーン(「ラ・ラ・ランド」主演女優)からグランプリレリーフを受け取った井野は「英語が苦手ですので日本語で話します。このような素晴らしい賞を頂けて大変光栄に思います」と、堂々とスピーチ。会場は一瞬静まり返ったが直ぐに大きな拍手で祝福された。
写真撮影に応じるエマと井野
井野将之の受賞インタビュー:
―今の率直な気持ちは?
うぅん、絶対に取るとは思ってなかったので、驚いています。
―応募のきっかけは?
きっかけはわりと軽はずみで、知名度があがればいいなぁと。周りからの勧めもあったので。
―賞金は何に使いますか?
何も、本当に何も考えてないですね。でもさっき「英語を習え」って言われたので、行こうかなと。
―他のファイナリストと何が違うと思いますか?
真面目にふざけているところですかね、日本独特のふざけかたです。
―あなたのスタイルを言葉にすると?
ユーモア、ストレンジフィーリング、コンフォータブルです。
―ショーや展示会で流したいと思う曲を1つだけ挙げてください。
え?音楽ですか。
ボブ・マーリーの「Every thing gonna be all right(何もかもうまくいくさ)」です。
―嬉しかったことは?
マーク・ジェイコブスさんと会えて、作品を見ていただきながら話ができたことですね。楽しんでくれて、面白がってくれたことです。
―今後の海外展開については?
いや、これまで通りです。急に頑張ったってしょうがないですから、今後も気張らずに自分のクリエイションを続けます。
フランス・メディアを中心とする多くのジャーナリストの質問に、一つ一つ丁寧に答える姿から真摯な人柄が垣間見えた。
井野には賞金30万ユーロ(約3900万円)とLVMHチームによる1年間のメンターシッププログラムが授与される。
授賞式会場での「ダブレット」の展示。
©Benoit_Peverelli
特別賞は韓国出身、ロンドンをベースに活動するデザイナー、ロック・ホアン(Rok Hwang)の「ロック(ROKH)」が受賞。15万ユーロ(約1950万円)とLVMHチームによる1年間のメンターシッププログラムが授与される。
「ロック」の展示。
カール・ラガーフェルド(フェンディ)、ニコラ・ジェスキエール(ルイ・ヴィトン)、マリア・グラツィア・キウリ(ディオール)ら審査員。
©Sølve Sundsbø
LVMH Prize オフィシャルサイト:www.lvmhprize.com
Text&Photos: B.P.B. Paris