【From Paris】2017 S/S PARIS COLLECTION パリコレクションのトピックス vol.3

--文化出版局パリ支局より、イベントや展覧会、ショップなど、パリで日々見つけたものを発信。

vol.3 パリの町に溶け込んだアトラクティブなショー

今シーズンのパリコレクションでは、ショッピングセンター、セーヌ沿岸、公園など、パリの町を背景に多くの人々の目に触れたアトラクティブなショーが目立っていた。ニューヨークから始まった「See Now Buy Now」(ショーを見てすぐ買える)の動向に伴い、パリでもショーに出たアイテムを即販売するブランドが出てきていることからも、ファッションウィークが消費者にとってより身近な存在になっていると言えるだろう。

3シーズン目を迎えた「コシェ(Koché)」は、今年再オープンした大型ショッピングセンター「フォーラム・デ・アール」の広場でショーを開催。ブランドを率いるクリステル・コシェ(Christelle Kocher)は、今年のANDAMファッション・アワードとLVMHプライズのファイナルにノミネートされた注目株のデザイナーだ。彼女が提案するのは、フランスが誇るオートクチュールのテクニックをストリートに融合させたスタイルで、これまでも地下モールやアーケードなど、公衆が行き来する場所でコレクションを発表している。広場では多くの市民が足を止め、颯爽と歩くモデルたちに見入っていた。テロの影響でフランスへの渡航が自粛されたり、ショー会場が伏せられたりと、全体的に活気を欠いたシーズンが続いたが、こうしたデザイナーの試みがモード界を奮起させている。

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アートとファッションの融合を掲げる「イーチ×アザー(EACH x OTHER)」もまた、野外における開放的なショーとなった。場所はチュイルリー公園の一角。ファッションデザイナーのイラン・トゥルイ(Ilan Delouis)とアーティスティックディレクターのジェニー・マナーヘイム(Jenny Mannerheim)が2011年に立ち上げた「イーチ×アザー」は、アーティスト、ミュージシャン、映画監督、デザイナーなどが分野を越えコラボレーションすることがコンセプトの一つになっている。今回のショーでは、テキストを用いたアートワークを行うロバート・モンゴメリーやダンスパフォーマーたちも参加。コレクションは、シャツドレスやカーゴパンツ風スカートなど、メンズ服に捻りを加えたワードローブにミリタリーのタッチが効いている。

©ELIZABETH PANTALEO

オフ・スケジュールでショーを行なった「ジョルネ(JOUR/NÉ)」は、若干20代のフランス人トリオ、レア、ルー、ジェリー(Léa, Lou, Jerry)の3人が2014年に立ち上げた人気上昇中のブランド。デビュー時から日々の生活を楽しく快適にすることを念頭に、女性のライフスタイルの様々なシーンに合ったデサインを提案している。今回の会場となったのは、老舗レストラン「グラン・ヴェフール」。パレ・ロワイヤルの一角にあるここは、ナポレオンをはじめ、政界・文芸界の著名人たちが通った場所であり、美しい庭園を見渡せる回廊がランウェーになった。コレクションでは、フェミニンなレースのアイテムにスポーツテイストをミックス。絶妙なミスマッチ感が新鮮だった。

ブランド設立20周年を迎えた「ポール & ジョー(PAUL & JOE)」は、セーヌ沿岸で新作を披露。ラップミュージックが流れる中、ストリート感あふれるシルエットが展開され、ランウェーを見下ろす通りには、興味津々にショーを見物する通行人たちが集まっていた。デザイナーのソフィー・メシャリー(Sophie Mechaly)は、フレンチ・シックやプレッピー・スタイルなどのコードを取り入れ、現代性に富むコレクションを発表している。今シーズンはワーカー、ヒッピー、クチュールなどの要素がプラスされ、力強さと繊細さが交差するコレクションに仕上がっていた。

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text : B.P.B. Paris

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『装苑』2017年5月号、3月28日発売

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