【From Paris】2016 A/W PARIS COLLECTION パリコレクションのトピックス vol.8 ケンタ マツシゲ

--文化出版局パリ支局より、イベントや展覧会、ショップなど、パリで日々見つけたものを発信。

3月1日から9日まで開催された2016-'17年秋冬パリコレクションでは、国内外から集まった約90のブランドが、個性豊かな新作を発表した。今シーズンもアーティスティック・ディレクターの退任と就任が話題を集めたが、最高にパワフルなショーを見せてくれたのが、着実にキャリアを積んできた中堅のデザイナーたちだ。自身のブランドを率いる彼らのクリエーションは自由でダイナミック。ストリート、ジェンダーレスの流れが続く中、クチュール、スポーツ、クラシック、ユニフォームなど、さまざまな時代と様式を掛け合わせた独創的なスタイルが観客に驚きを与えた。構築的な肩、スーパーワイドなパンツ、超ロング丈の袖、不揃いのヘムなど、法則のないボリュームやシルエットの遊びもさらに進化している。そんな彼らのコレクションを中心に、フレッシュなニューカマーや展示会で見つけた気になるブランドを紹介する。


Kenta Matsushige(ケンタ マツシゲ)/松重健太(マツシゲ・ケンタ)
フランスで起業したブランドの支援を目的に開催されている「デザイナーズ・アパートメント」は、若手デザイナーの有望株が集まる合同展示会として注目される。ここに初参加した松重健太もまた、期待を寄せられるデザイナーである。コレクションは、「おあつらへ」をテーマに、江戸時代の浮世絵師、歌川国貞の作品から着想。「御あつらへ三色弁慶」、「月の影忍逢ふ夜」に見られる幾何学的な模様や直線、ドレーブなどが、コンテンポラリーな軽やかさと共に表現されている。着物コートは、ウールにボンディング加工を施し、ボリューミーなシルエットを形成。これまで同様ミニマルな作風だが、和と洋、伝統とモダンの融合による構築的なディテールやフォルムの面白さが光る。

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「デザイナーズ・アパートメント」の展示風景。


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着物のような袖と襟のジャケット。


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一見シンプルだが凝ったディテールが印象的なシャツ。


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シンプルな服の上に、ベルトで締めるトップスを重ねてボリュームをプラス。


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2色の生地で構成されるドレスは、光と影の境界を表現したもの。

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左:立体的なボンディング加工のコート。右:展示会での松重健太さん。


2008年、神戸ファッションコンテストで受賞し、支援金でパリ・クチュール組合学校(通称サンディカ)へ留学。在学中に著名メゾンで研修を重ね、卒業後はフリーのデザイナーに。2014年のイエール国際モード&写真フェスティバルでグランプリ受賞。シャネル傘下のアトリエの協力を得てコレクションを制作し、翌年のイエールで発表する。
www.kentamatsushige.com

text : B.P.B. Paris

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