装苑6月号連動:文化服装学院の学生が"たった一つのオリジナル刺繍"にチャレンジ! vol.2

photographs:Jun Tsuchiya (B.P.B.)

『装苑』6月号「刺繍とレース。」特集のp58-61「イラストレーターと作る たった一つのオリジナル刺繍」では、坂本ヒメミさん、オオクボリュウさん、moko.さんの3名の人気イラストレーターに、オリジナルの刺繍図案を提案してもらった。「実際に刺繍してみたらどんなものができるの?」という声をもとに、文化服装学院の学生たちがこの図案を使って刺繍に挑戦。色使いはもちろん、素材の組合せや刺繍技法など、表現方法が多種多様で、作品が上がってくるたびに、編集部はその発想力に驚くばかり。ここでは、3回に分けて作品を紹介します。

刺繍図案

坂本ヒメミさんは「12星座に守られたプリンセス」をテーマに、各星座をつかさどる植物と、星座のモチーフに守護された異国のプリンセスを、オリエンタリズムが美しい図案で表現。オオクボリュウさんは、斜め上を眺めたり、舌を出したり、のびのびとした表情のキャラクターを数字で描いた「マイペースな数字」。そして、ゆるいタッチで描かれたガーリーなモチーフと、パステルカラーがキュートなmoko.さんによる「I'm a Girl.」。

刺繍作品

学生たちの手によってできあがった作品は...!?
第2弾は、トートバッグやショルダーバッグなど、日常使いで楽しめるアイテムに落とし込んだ9作品を見てみましょう。学生たちのこだわりは、今後、刺繍するときにぜひ参考にしてみて。

山田莉子

服装科

刺繍を完成させるだけでなく、レースやタッセルをあしらったとびきりガーリーなショルダーポーチに仕上げた山田さん。「星座と植物の組合せがとても素敵だったのでこの図案を選びました。刺繍糸は淡くぼやけたトーンにしたかったので、糸を2本取りした場合は2色の糸を合わせて使っています。そこにシルバーとホワイトのラメ糸をプラスしたことで、神聖な雰囲気に。アウトラインステッチやレゼーデージステッチ、バリオンステッチなど、モチーフによって技法を使い分けたところもポイント。糸を刺している間は夢中で、色や技法選びなどすべての工程が楽しかったです!」

西山莉衣

服装科

西山さんは、自らの星座である牡牛座をフェミニンなムードで刺繍している。「手作りのランチトートを制作し、刺繍を施しました。刺繍はチャコールグレーやピンクホワイトなど全体的に色のトーンをおさえて、女性らしくナチュラルなテイストに。ボタンや漢字など一部にゴールドのラメ糸を使って、輝きを加えています。図案が細かくて大変でしたが、その分、完成した時の喜びや達成感が大きかったです」

薄井直子

オートクチュール専攻

まるでボールペンでイラストを描いたかのように繊細で線の美しい刺繍を、キャンバス地のトートバッグに施した薄井さん。プリンセスの花飾りや牡牛のモチーフなど、それぞれのモチーフを間近で見ても丁寧な手仕事が伺える。「一番こだわったのは、刺繍図案に忠実に刺すことです。坂本ヒメミさんが描くやわらかなタッチのイラストを糸で表現することに重点を置きました。自分の星座を選んでじっくり時間をかけて作ったので、作品に愛着が沸きますね」

針谷沙季

オートクチュール専攻

様々な技法を使って、立体感のある刺繍作品を完成させた針谷さん。ラメ糸ではなく、サテン糸でさりげなく輝きを表現している部分にも工夫を感じられる。「サテンの刺繍糸やスパングル、ビーズなどを使ってキラキラした感じを出しました。サテン糸はやわらかくて絡まりやすく、刺繍するのにやや苦労しました。左右対称にバランスをとって刺繍するのも大変でしたね。今回、一番手をかけたのは、モコモコした羊のモチーフです。体全体を埋め尽くすように、フレンチナッツステッチで仕上げました」

浜島真奈

オートクチュール専攻

浜島さんは、刺繍図案のチャーミングな世界観をふくらませて。淡いピンクのカラーリングや、レースを上に重ねたトートバッグなど、乙女心をくすぐる要素がいっぱい。「スパングルやパールビーズ、竹ビーズなどを使って、かわいらしいイラストのイメージを忠実に再現しようと思いました。プリンセスが被っているヴェールは、実際にレースを使って表現しています。次は、自分の好きな色合いでも刺繍にチャレンジしてみたいです」

柳下沙恵

オートクチュール専攻

色とりどりの和柄のファブリックをプリーツ状にし、華やかで存在感のあるトートバッグを制作。柳下さんは、「刺繍図案を見たときに、ここに色を足していったらどのような作品になるだろうと想像するのが楽しくて、天秤座のイラストを選びました。ビーズはあまり使わずに刺繍糸で動きが出るようにしたかったので、全体のバランスを見ながら多く針を刺すところを決めていきました。特に洋服は立体感を出したかったので、細かくステッチを刺しています。想像以上に時間がかかり大変でしたが、刺している間にもアイディアが浮かんできてワクワクしました。イラストを実物に起こすという作業も物作りの貴重な体験になりました」

布施美佐子

オートクチュール専攻

布施さんは、チェック柄のウールの生地を用いて、ストラップを編んだり、内ポケットをつけたりして、実際に使えるようにベースとなるバッグの完成度にもこだわった。「水瓶座の刺繍図案は、水のように流れるプリンセスのロングヘアがかわいくて、この部分を生かしながら刺繍したいと思いました。暗い印象にならないように、落ち着いているけれど美しい色合いを心がけています。髪の部分は、4色の刺繍糸を使ってグラデーションカラーに」

上原陽

服装科

マイペースな数字のキャラクターたちを体現するかのように、リラックス感のある佇まいのバッグを制作した上原さん。「オオクボリュウさんの描いた数字のキャラクターが、とても茶目っ気があってかわいらしいところに惹かれて選びました。イラストの雰囲気がゆるっとしていたので、ファブリックもやわらかいコットンガーゼ素材を選び、刺繍をパッチワークで施して、あえてハンドメイド感を出しました。線の重なりを立体的に表現したかったので、透明のビーズを使っているところもポイント」

松村香織

オートクチュール専攻

松村さんは、スイートでキュートなイメージが強いmoko.さんのイラストと、メンズライクなデニム生地を合わせることで、新鮮なムードのハンドバッグを完成させた。このバッグは、弟のデニムパンツをリメイクして制作したそう。「ジッパーの部分をネックレスのチェーンに見立てて、チャームが連なっているようなトロンプルイユのデザインに。刺繍自体はシンプルですが、アイレットワークやラインステッチ、サーフェスサテンステッチなど技法を使い分けているので、よく見るとモチーフの表情がそれぞれ異なります」

同じ図案でも全く異なるものができるから、みなさんもぜひ"たった一つのオリジナル刺繍"を作ってみてくださいね!アイテムを制作したら、TwitterかInstagramに写真とハッシュタグ(#装苑1点モノ)をつけてぜひ投稿してください。すてきな作品は装苑ONLINEでご紹介します!

装苑2016年6月号「刺繍とレース。」

『装苑』2016年6月号「刺繍とレース。」は、人気急上昇中のモデルで女優、小松菜奈さんが表紙に登場!
巻頭特集企画の8ページも含め、撮影するのは昨年、第40回木村伊兵衛写真賞を受賞した気鋭の写真家、川島小鳥さん。少女と女性の狭間の、まばゆい一瞬をとらえたビジュアルストーリーにご期待ください。
また、1月号からスタートし、『装苑』が注目する俳優やアーティストをフィーチャーする人気連載"装苑男子"では、その圧倒的な存在感で日本のロックシーンをリードする[Alexandros]を迎えて、拡大版でお届け。
*目次や定期購読など詳細はこちらから

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『装苑』2017年4月号、2月28日発売

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