「sulvam」2017 A/W TOKYO COLLECTION 精神は、"パンク"。スタイルは、サルバム オリジナル

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Amazon Fashion Week Tokyoの最終日、「sulvam」が、東京で最後となるショーを、ユナイテッドアローズ原宿本店ウイメンズ館3階で行なった。今回は、1月にイタリア・フィレンツエで開催された「ピッティ・イマージネ・ウォモ」で、ショー形式で発表したコレクションを、モデル、コーディネートを変えて、会場の空間に合わせて再構成した。
デザイナーの藤田哲平の精神は、あくまでも"パンク"。そんな印象を受けたショーだった。パンクといっても、藤田は、表層的なパンクファッションの追従者ではない。誤解を避けるために、少々注釈が必要かもしれない。筆者が広義に解釈しているパンクの精神は、社会情勢を含めて現状に疑問を呈する、自由を重んじる、常に自分らしくいる、そういったことを服装で表すということだ。それを、藤田は、山本耀司氏から学んだ服の基本を守りつつも、それを崩しつつ、パンクの精神を表現していく。
ストライプのオーバーサイズのシャツに閉めたネクタイにはステッチ(ロックミシンにみえる)がほどこされ、安全ピンが刺されている。もうそこには、ネクタイ本来のビジネススーツ必須アイテムという役目はない。襟、袖口、ヘムが切りっ放しで糸が出ているコート。ピンストライプのギャバジン地のトップスなどには、スケートボードの轍のように、自由に伸びやかなラインが描かれている。折り返した襟元に裏地みえるトップスや、表地がカットされて裏地があらわになっているコート。これらには、表、裏という概念さえ取り払われている。パンツは、フロントにスリットの入った細身のから床につくフレアまで、モデルに合わせてコーディネートされている。
今シーズンは、迷彩柄とシルバー糸のニット類が、コレクションの幅を広げていた。加えて、Vansの靴紐も目を引いた。首に巻かれ、パンツのベルトに結ばれ、とにかく、垂れ下がっている。足元はというと、モデルたちが靴紐を引きずって歩いていく。"ノイズ"のように、言葉にならない藤田の気持ちがあらわれていたようだ。
ショーを終えて藤田は、「その人に染まるのがファッション、キャラクターを生かすのが服」と語った。それは、sulvamに共感する人たちが、それぞれ自由に着こなしてほしい、という意味だろう。続けて、「デザイナーの主張やエゴはいらない」とも。それを聞いて正直言って、"ちょっと丸くなった"という言葉が頭をよぎった。いずれにしても、いわゆるストリートファッションとは異った、sulvam独自のスタイルが確立されつつあることが、今回のショーが証明していたのではないか。藤田にとっても、一つの締めくくりとなったシーズンになったように思えた。
藤田は、東京都および繊維ファッション産学協議会が主催する「TOKYO FASHION AWARD」の第1回を受賞し、支援を受けて海外の展示会に参加。海外の有力セレクトショップとの取引も始まった。今後は、世界のバイヤーが集まるパリで発表するという。AFWTの時期は、メンズのビジネス・カレンダーとは完全にずれており、ビジネスにつながらないことも事実。今回は、支援のお礼を込めてショーを行なった。これからは、資金を本当の意味で自立することに注力していく。将来は、海外でショーを行ないたいと抱負を語っていた。
(取材・文=清水早苗)

Brand : sulvam / サルバム
Designer : Teppei Fujita / 藤田哲平
Date : March 25th 2017
Start : 19:45
Place : UNITED ARROWS Harajuku
Photographs : Jun Tsuchiya (B.P.B.)
Text : Sanae Shimizu

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