「sacai / UNDERCOVER」2018 S/S TOKYO COLLECTION ファッション界を担う次世代への大きなプレゼントに、サカイとアンダーカバーがジョイントショーを開催

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10月20日、sacai(デザイナー 阿部千登勢)とUNDERCOVER(デザイナー 高橋盾)による合同ショーが、雨が降りしきる中、聖徳記念絵画館前に特設された大きなテントで開かれ、両ブランドとも、すでにパリコレで発表した2018年春夏コレクションを披露した。

テント内はかなり広く、パリコレが、テントで開催していた時と同じぐらい大きい印象を受けた。最前列に並ぶ俳優やタレントがフラッシュを浴びている光景は、ショー恒例。

そうこうしていると、ヨハンストラウスの交響曲の「日の出」(映画『2001年宇宙の旅』に使用された)が流れ、観客の期待感を否が応でも盛り上げていく。会場は、左右異なった背景がセットされている。

光をディフューズする巨大なセットを背景に、sacaiからスタート。ハイブリットとも形容される、さまざまな服種を解体し、その部分や異素材をミックスしつなぎ合わせて、新しい服を形成していく手法。それも徹底的に作り込んでいく。とくにプリーツの部分使いは、若手デザイナーだけでなく、トレンドの一つに数えられるほどだ。

今シーズンは、ジャケットの袖を胸に巻くルックが多く見られた。モデルのウォーキングに合わせて布地が揺れる。そんな流れるような布地が重ねられ、時にどこかに穴があいており、さらにウエストに布を重ねていくことで、装飾性のともなった3Dプリンターを使用したかのような複雑な造形が生まれる。"固定的"ではなく、あくまでも流動的で緻密なフォルムを創出したのは、デザイナーの功績といえる。

sacaiが、"動"なら、UNDERCOVERは、"静"と言えるショーだった。天井からシャンデリが降りてきて、真っ赤なオペラ幕を背景に、モデルが2人手をつないで、静かに歩いてくる。シルエットはまったく同じだが、素材や色、柄がちがう。モデルは双子で、服は、リバーシブル。つまり、モデルがそれぞれ、表と裏を着用している。どちらが表か裏かはわからないが、アイテムとしてはレザージャケットとニットジャケット、タキシードと普通のWブレストのジャケットスーツなど、よく作りこまれているため、リバーシブルとはすぐにはわからない。

少女や思春期の女子に潜む小悪魔性を表現し、新たな境地を切り開いたデザイナーの高橋。今シーズンは、表と裏で、その二面性を表しているのだろうか。

自らが被写体となって撮影する、狂気をはらんだシンディー・シャーマン(以下、C・S)の作品がプリントされているのが目立つ。その表あるいは、裏には、スパンコールで描いた赤い唇が覆ったワンピース。他にも、プリント柄が対照的に夜の星空と赤い空に雲。また、裏が赤にはしるラインが血のように見えるワンピースもあった。最後には、子供のモデルが登場し、会場を和ませた。

モデルが、前に"WHAT COMES AROUND GOES AROUD"の文字が、背中には、シンディー・シャーマンのプリントされた白地のコートを着用して、ラストを飾った。

両者とも、パリでショーを成功させ、継続していくという強さやたくましさ、コレクションからは、徹底して突き詰める服づくりの姿勢がうかがえた。ファッションを志す次世代の若者たちにとって、ネットではなく、両者の実物のショーが見られる貴重な機会となったことだろう。


なお、"AT TOKYO"は、日本のファションやデザインのコミュニティーへの継続的支援を目的として、Amazon Fashionが展開するプログラムのひとつ。第二回目となる今回は、5ブラントのコレクションを披露する機会を設け、「sacai」と「UNDERCOVER」の他に、「TAKAHIROMIYASHITATheSoloist.」、「TOGA」、 「BlackEyePatch」をセレクトし、人材育成のために、ファッションやデサインの専門学校から数百人の学生を招待している。また、Amazon Fashionは10月16日より"AT TOKYO"のオンラインストアにて、今回参加する各ブランドのスペシャルアイテムも販売している。
(取材・文=清水早苗)

Brand : sacai / サカイ
    UNDERCOVER / アンダーカバー
Designer : Chitose Abe / 阿部千登勢
      Jun Takahashi / 高橋盾
Date : October 20th 2017
Start : 19:00
Place : Meiji Memorial Picture Gallery

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『装苑』2017年12月号、10月28日発売

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