「MIKIO SAKABE」2018 S/S TOKYO COLLECTION 「日本」にチャレンジ、過去と現代の日本をミックスし表現したミキオサカベ

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MIKIO SAKABE(デザイナー 坂部三樹郎)のショーがはじまった。まず目に飛び込んできたのは、厚底のシューズ。それも限界に挑戦したかのような高さ(25cm位か)。そのため、モデルのウォーキングが、どうしても八の字を描く。当然ながら、花魁道中が頭をよぎる。流行は誇張されていくものだが、ここまでくれば、厚底もそろそろ終焉に近づいているように思える。

カラフルなヘアは日本髪からか。今シーズンは、"和"にチャレンジしたのだろうか。ところが、それらしいデザインは、あまり見られない。肩のラインや袖のフォルムもさまざまなのだ。

舞台にぼんやりと浮かぶ大きな球体は、太陽か、月なのか。

赤や青といった原色はあったものの、ダルカラーが目立ち、こだわってきた"東京ポップ"が、ちょっとおとなしく、大人になった感じがした。小花柄のドレスは、ラファエル前派の影響を受けたヒッピーファッションを、テラードや袖が大きく誇張されたコートなどは、おちた肩や分量感が'60年代に流行った和装用のウールコートを思い起こさせた。フィナーレは、ハートや星を形どる迫力ある造形がおおう作品も登場。"平和"や"未来"へのデザイナーのポジティブな思いが伝わってくる。

いろいろな印象が頭をよぎるコレクションだった。見る側が、テーマや、デザイナーが伝えたいことをショーから読みとっていく。基本的に、見る者の感覚・感性でどのように受け取ってもよいわけだが、逆に感じたこととは別に、デザイナーから、テーマなどを聞くのも、答えあわせのようで興味深い。また、言いたいことが伝えられたクリエイションができたのかも確認できる。

今回の坂部のテーマへのアプローチは、実にユニークだった。"してやられた"と思った。

ショー後に、「日本がテーマ」と語った坂部。やはりと聞いていると、「日本の昔と現代をミックスした」と。ファーストルックは、ヘアは日本髪、OLスタイルに高校生が持つスクールバッグ。一つのなかにさまざまなシーンと時代がミックスされていた。坂部が表現してきたカワイイカルチャーも、一連の小花プリントを使ったルックで現代の日本の中に入れてある。

「着物を作ろうと思ったが難しかった」と、正直に告白。そこで、坂部が見つけた方法の一つが、「ニュアンスをとってくるぐらいの方が、バランスがとれる」ということだった。例えば、日本的な曖昧なカラーを使い、小花柄に小さなスパンコールを不思議な光り方を演出するなど。カラフルなストライプの布地は、平安時代の五色幕をイメージしている。ジャケットやコートもただオーバーサイズというのではなく、前に落ち気味で肩に乗らない、着物ずれ感を表したということだ。

今回のコレクションで、一筋縄ではいかない、坂部のクリエィションの一端をみることができたようだ。次回作への期待が大きく膨らんだ。
(取材・文=清水早苗)

Brand : MIKIO SAKABE / ミキオサカベ
Designer : Mikio Sakabe, Shueh Jen-Fang / 坂部三樹郎, シュエ ジェンファン
Date : October 21th 2017
Start : 21:00
Place : Shibuya Hikarie Hall A
Photographs : Norifumi Fukuda (B.P.B.)
Text : Sanae Shimizu

MIKIO SAKABE
twitter.com/mikiosakabe
TEL03-6304-0838

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『装苑』2017年12月号、10月28日発売

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