「TSUKASA MIKAMI」2016 A/W COLLECTION 強い光と強い音楽が彩る13人の平和部隊

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2014年にスタートしたばかりのツカサミカミ。前回に引き続きプレゼンテーション形式で新作を発表、今シーズンのファッションウィークカレンダーの先陣を切った。デザイナーの三上司は、自身のホームページabout欄で「新しい日常着。(着る人や見る人に、新しい視点や価値を提供する衣服。)」という簡潔な言葉で、クリエーションの方向付けをしている。そのマニフェストを裏付けるようなコレクションだった。

今回、ショーで発表したのは13体。13人の男女のモデルが長いステージ上に登場し、全員がそろった後は、マネキン人形のように無表情に直立して、強いスポットライトとアクセントの強い音楽(ジョン・ケージのsolo for celloが選ばれた)に合わせて前後に向きを変える。観客は全員スタンディングで、ステージの周りを自由に動き回り、近くで素材やディテールを見たり、離れてシルエットやモデルのヘアメークなどを観察できる。

見方によっては、軍隊の隊列のように見えなくもないが、アメリカのリベラル派知識人スーザン・ソンタグの著書「他者の苦痛へのまなざし」に想を得たというコレクションは、前回に引き続き戦争の気配が生まれそうな今の世の中への違和感(決して声高な反戦でないところがソンタグにつながる)と、服のデザインという手段でできることを表明している。オリジナルのカモフラージュ柄を塗りつぶすように白い花モチーフがプリントされているが、この花が紋様のように広がって、13点だけのコレクションなのに見応えはある。花はアネモネ、アナスタシア、百合など。このデザインも自身で手がけているところが、デザイン事務所キセログラフィカを運営するグラフィックデザイナーでもある三上の強みの一つだ。

「日常着」と言っているだけに、ラインナップはいたって簡素。シャツとボトムをベースに、ニット、コートが加わる。男女のモデルは区別なく混ざっている。ミントデザインズやアンリアレイジなどを手掛ける金子繁孝事務所が担当した演出はさすがに強度がある。

Brand : TSUKASA MIKAMI / ツカサミカミ
Designer : Tsukasa Mikami / 三上 司
Date : March 14th 2016
Start : 10:30
Place : Shibuya Hikarie Hall B
Show Director : Shige Kaneko
Hair : Yasu (L'Oréal Professionnel) Makeup : Rumiko Ikeda (M・A・C)
Photographs : Josui (B.P.B.)

TSUKASA MIKAMI
tsukasamikami.jp
TEL03-6804-8612

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