「mame」2015-'16 A/W COLLECTION 旅で出会った美しい布、布作りの美しい姿勢

ganryu140204

マメの今シーズンのプレスリリースの文章は、宮本輝の『錦繍』を引用しつつ、組み立てられている。蔵王のリフトの中で10年ぶりに再会した男女の手紙のやり取りで綴られた小説になぞらえて、マメの旅--再会したのは人ではなく、日本の美しい青の布なのだが--は始まる。それは、東北の、満天の星を思わせる刺子に始まって、知恵が詰まった裂織や、同じく東北でのデサントのダウンとの思いがけない出会いがあり(こちらは、小説にも出てくる紅葉の鮮やかなオレンジ色だ)、さらには山陰に流れていって、島根の出西釜で深いネイビーの陶器に遭遇するなど、偶然の糸に引かれるように、完成していった物語なのである。この「passing」とタイトルをつけられたロマンティックなストーリーの一方で、日本の消えつつある手仕事を、21世紀の技術で現代の服として蘇生させようというマメの冷徹で強固な意志がすばらしい。ハンドメイドのように見えながら工場生産による抑制された価格の製品を送り出す。例えば、トーションレースをほどいてテープ状にして機械かがりでテキスタイルを作ったこぎん刺しを思わせるテキスタイルには驚いた。ヨーロッパのラグジュリーブランドなら、手工芸的な製品に仕立てるのだろうが、マメはそうはしない。現代のファッションの新しいページを開こうという現実感覚がまぶしい。展示会は、建築家の伊東豊雄の主宰する「伊東建築塾・恵比寿スタジオ」で開催。入り口には、囲炉裏があり、出西釜で作られた藍色の茶器でのもてなしがついていた。

Brand : mame / マメ
Designer : Maiko Kurogouchi / 黒河内真衣子
Photographs : Jiro Konami
Hair : ODO
Makeup : UDA (S-14)
text : Mariko Nishitani

Kurogouchi Design Office
www.mamemamemame.com
TEL03-3413-3338


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