「KUON」2018 A/W TOKYO COLLECTION "美しいものはいつまでも美しい"、日本の伝統技法による布を服に蘇らせるクオン

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2016年に創設という、新ブランド「KUON」(クオン)。その名は、「遠い過去または未来」「永遠」を意味する久遠に由来する。ブランドコンセプトは、「新しいものは古くなるけど、美しいものはいつまでも美しい」。2016年春夏コレクションから、デザイナーに石橋真一郎が就任。昨年、東京都と繊維ファッション産学協議会が主催する、海外での展開をサポートする「TOKYO FASHION AWARD 2018」に選出された。

ナチュラルで心地よい音が響く打楽器演奏のなか、ショーが始まった。適度にリラックス感のある服が並ぶ。コレクションの中心は、なんといっても、藍染、裂織、刺し子、泥染め、つぎはぎ(パッチワーク)、そして、襤褸(らんる、あるいはボロ)といった日本の伝統的な技法による布だ。特に襤褸は、高価なコレクターズアイテムとなっている。凝ったテキスタイルを生かす服のデザインは、難しい。そこを、石橋は、ちょっと肩の落ちたニットやジャケット、くるぶし丈の太めのパンツで、適度なゆったり感をつくり出した。若々しさがありつつ、小細工はせずに、地に足のついた堂々としたデザイン。それが成功の要因に思えた。形状変化のない日本の着物は、テキスタイルを纏う民族服でもある。多様多彩な生地を、きちっと着こなすところに品格が生まれてくる。

ショーの後、今回のキーワードは、「少年像と時間軸、有機物、ライブ感」と、石橋は語った。確かに、ショーでは、少年=若さが内に宿す儚さや美しさと、100年、150年という時を経た襤褸という背反するものが、若干の違和感を含みながらも調和し、音楽とも相まって不思議な雰囲気を醸し出していた。また、"有機物"には、天然の染めなど、手仕事を伝えたいという思いが込められているという。

今後、裂織りや襤褸といった高価な布の他に、どのような独自のテキスタイルを創作していくか。それが、クオンにとって、一つのポイントとなるのではないだろうか。

(取材・文=清水早苗)

Brand : KUON / クオン
Designer : Shinichiro Ishibashi / 石橋真一郎
Date : March 24th 2018
Start : 10:30
Place : Shibuya Hikarie Hall B
Photographs : Norifumi Fukuda (B.P.B.)

MOONSHOT
www.kuon.tokyo
TEL03-5688-3461

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