「YASUTOSHI EZUMI」2016 S/S COLLECTION 切断された服という新しい脱構築

ganryu140204

建築の思考法に関心を持つ江角泰俊が、今シーズン注目したのは、フランク・ゲイリー。たまたまコレクションの前日に21_21 DESIGN SIGHTでフランク・ゲイリー展が開催したばかりだったが、それはうれしい偶然だ。展覧会の中心は、ゲイリー自邸とビルバオのグッゲンハイム美術館、パリのルイ・ヴィトンファウンデーションだが、江角もまたこの3つのゲイリーの代表作から多くのインスピレーションを受け取った。とりわけ、今回のテーマになっている「MATTA CLARKING」というのは、アーティストのゴードン・マッタ=クラークが用いる、既存の建物を切断して構造体を露出させるという大胆な手法をゲイリー事務所で「マッタ=クラーキング」と呼んで応用していることに起因している。服の場合、サクッと断ち切るわけにはいかないが、あたかもコートやジャケットを横に切ったら、ずり落ちて内側が見えたり、左右身頃でずれが生じたり、シャツドレスが大胆に斜めにカットされたり、といった建築的な遊びが、90年代の脱構築とはまた一味違う、テクニカルではあっても、あくまでもクリーンでさりげない服の表情を作り出していた。冒頭のベージュのトレンチのパーツをずらして重ねたようなワンピースとそれに続くトレンチを切断して上下に分けたようなツーピースの挑戦的な始まり方から、デザイナーの気合が感じられた。使用された素材の多くがネイビーやグレーのピンストライプやシャツ地などのメンズ素材だったことも効果的だった。

Brand : YASUTOSHI EZUMI / ヤストシ エズミ
Designer : Yasutoshi Ezumi / 江角泰俊
Date : October 17th 2015
Start : 14:00
Place : Minami Aoyama Gallery
Photographs : Norifumi Fukuda (B.P.B.)
Text : Mariko Nishitani

YASUTOSHI EZUMI
www.yasutoshiezumi.com
TEL03-3576-4033

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